1. CAIとはどんな会社か?
Caris Life Sciences, Inc.(ティッカー:CAI)は、2008年創業の米国テキサス州アーヴィング本拠のヘルスケア・テックバイオ企業です。AIと機械学習を駆使し、がん診断や治療効果モニタリングに必要なオミクス解析プラットフォームを提供しています。臨床向けプロファイリングテスト「MI Profile」や液体生検「Caris Assure」を通じ、世界中で累計約650万件以上の検体分析実績があります。
項目 | 内容 |
---|---|
設立年 | 2008年 |
本社所在地 | テキサス州アーヴィング |
事業内容 | がんに特化したオミクス解析プラットフォームの開発・提供 |
主要製品 | MI Profile、Caris Assure、MI Cancer Seek |
累計検査数 | 約650万件以上 |
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2. IPOで株価はどうなったか?
2025年6月18日にNASDAQで上場。公募価格は1株21.00米ドルで、市場の事前レンジ(19.00~20.00米ドル)を1ドル上回った水準で設定されました。初値は約30.00米ドルで、21.00ドルに対し約43%高いスタートを切りました。初日の終値は約28.00米ドル、終値ベースで約33%の上昇となっています。
3. 今後の展望
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ブル要因(強気材料)
- 技術優位性
がん診断向けオミクス解析において、全エクソーム・トランスクリプトーム解析を含む最先端テクノロジーを持つ点が差別化要因です。 - 市場拡大の追い風
精密医療市場は今後数年間で年平均成長率20%超が見込まれ、オミクス解析の需要増が予想されます。 - 業績成長ポテンシャル
2025年第1四半期売上は1.21億米ドル(前年同期比約50%増)で、ケースボリュームは前年比31%増と高成長を維持しています。
ベア要因(弱気材料)
- 赤字経営
直近では第1四半期に1.27億米ドルの純損失を計上しており、黒字化までの道のりはまだ遠い状況です。 - 競合リスク
グローバルにはFoundation MedicineやGuardant Healthなど、同領域の競合が存在し、価格競争や技術革新競争が激化する可能性があります。 - ロックアップ解除リスク
主要株主の180日間ロックアップ期間は2025年12月15日に終了予定で、大量売りが出るリスクがあります。
4. まとめ
Caris Life Sciences(CAI)は、AI×オミクス解析を核とした精密医療のパイオニア企業であり、2025年6月のIPOでは公募価格比で大きく上昇する好スタートを切りました。今後、市場拡大や技術優位性を活かした成長が期待される一方で、赤字脱却や競合動向、ロックアップ解除による株価変動リスクには注意が必要です。