老後の生活に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。特に60歳での早期退職を考えている場合、年金支給開始までの「空白の5年間」と、その後の長い老後生活をどう支えるかが重要な課題となります。
本記事では、60歳から90歳までの30年間を老後期間として設定し、世帯タイプ別に必要な資金額を具体的に計算し、投資による資産形成計画をご提案します。
Contents
老後資金の前提条件
スポンサーリンク
老後期間の設定
本記事では老後を「60歳から90歳までの30年間」として設定しています。これは平均寿命の延伸を考慮し、男性約81歳、女性約87歳という平均寿命を上回る期間を想定したものです。
住宅のファクタも大きいので、自分のケースはどうか?ご自身でざっくり計算することをおすすめします。
2025年の年金制度
- 国民年金(満額):月額69,308円
- 厚生年金(モデル世帯):月額232,784円(夫婦合計)
- 厚生年金(単身):月額約146,000円
スポンサーリンク
世帯タイプ別 老後資金必要額
生活費の前提
- 単身者(65歳以上):161,933円
- 三人家族:312,567円
必要資金の内訳
世帯タイプ | 月額生活費 | 年金受給額 | 月額不足額 | 合計必要額 | 月額積立 |
---|---|---|---|---|---|
単身・国民年金 | 161,933円 | 69,308円 | 92,625円 | 3,750万円 | 33,011円 |
単身・厚生年金 | 161,933円 | 146,000円 | 15,933円 | 1,450万円 | 12,759円 |
三人家族・厚生年金 | 312,567円 | 232,784円 | 79,783円 | 4,269万円 | 37,575円 |
三人家族・国民年金 | 312,567円 | 138,616円 | 173,951円 | 7,094万円 | 62,442円 |

世帯タイプ別の老後資金必要額(60〜90歳の30年間)
単身・国民年金のケース
最も厳しい状況となるのが、単身で国民年金のみのケースです。月額92,625円の不足が生じ、30年間で約3,750万円の老後資金が必要となります。
単身・厚生年金のケース
厚生年金を受給できる単身者の場合、月額不足額は15,933円に減少し、必要な老後資金は約1,450万円となります。
三人家族・厚生年金のケース
夫婦と子ども一人の三人家族で、厚生年金を受給する場合、約4,269万円の老後資金が必要です。
三人家族・国民年金のケース
最も多額の資金が必要となるのが、三人家族で国民年金のみのケースで、約7,094万円が必要となります。この金額は、とても大きく、計画的な資産形成を行わないと、将来困る可能性が高いです。今は良くても”今後”を考え行動することが大切と気づくと思います。
60歳退職の特別な課題:空白の5年間
60歳で退職した場合、65歳の年金支給開始まで「収入の空白期間」が生じます。この期間の生活費として、単身者で約971万円、三人家族で約1,875万円が別途必要となります。
投資による老後資金の準備
投資計画の前提条件
- 投資期間:25歳から60歳まで35年間
- 想定年利回り:5%
- 投資手法:積立投資(ドルコスト平均法)

老後資金達成のための月額積立投資額(35年間・年利5%想定)
必要な月額積立額
最も効率的な老後資金準備方法は、長期間の積立投資です。年利5%で35年間運用した場合の必要月額積立額は以下の通りです:
- 単身・国民年金:33,011円
- 単身・厚生年金:12,759円
- 三人家族・厚生年金:37,575円
- 三人家族・国民年金:62,442円
老後資金準備の具体的戦略
新NISAとiDeCoの活用
新NISA
- 年間投資上限額:360万円
- 運用益非課税
- いつでも引き出し可能
iDeCo
- 掛金全額所得控除
- 運用益非課税
- 60歳まで引き出し不可
基本的には新NISAの活用を優先し、現役収入がある間はiDeCoも併用することをお勧めします。
生活費削減による資金捻出
固定費の見直し
生活習慣の改善
- 買い物回数の削減
- 外食頻度の見直し
- 不要なサブスクリプションの解約
年代別の取り組み方
20代・30代
新NISAを中心とした積立投資を開始し、投資に慣れてからiDeCoも併用する方法がお勧めです。
40代・50代
積立額を増やすとともに、生活のダウンサイズを検討し始める時期です。住宅ローンの繰上げ返済も効果的です。
60代以降
現役収入がある場合はiDeCoの活用も検討できますが、基本的には新NISAでの運用を継続しながら、必要に応じて取り崩しを行います。
まとめ
60歳退職を目指すためには、世帯タイプに応じて1,450万円から7,094万円の老後資金が必要です。この資金を25歳から35年間の積立投資で準備する場合、月額1.3万円から6.2万円の投資が必要となります。
重要なのは、早期に計画を立て、新NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を最大限活用することです。また、生活費の見直しによる積立額の確保も欠かせません。
老後資金の準備は一朝一夕にはできません。今すぐ行動を開始し、豊かな老後生活の実現を目指しましょう