こんにちは、いつもブログを読んでくださりありがとうございます。今日は緊急で記事を書いています。ついに恐れていたことが現実になってしまいました。
6月21日の夜(現地時間)、トランプ大統領がイランの核施設への攻撃を発表しました。フォード、ナタンズ、イスファハンの3つの核施設が攻撃対象となり、B-2爆撃機による大規模な空爆が実行されたとのことです。正直、こんな日が来るとは思っていませんでしたが、投資家としてはこの状況にどう対応すべきか真剣に考える必要があります。
Contents
何が起こったのか:攻撃の事実
まず事実を整理しましょう。今回の攻撃は6月13日にイスラエルがイランの核施設を攻撃したことから始まった一連の軍事衝突の延長線上にあります。イランが報復攻撃を行った後、アメリカが直接軍事介入に踏み切ったのです。
トランプ大統領は攻撃後の声明で「イランの主要核施設は完全に破壊された」と発表しましたが、イラン側は核開発を継続すると表明しており、事態の収束は見えていません。
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VIXの動きが物語る市場の恐怖
市場の反応を見ると、投資家の恐怖心がよく分かります。

VIX指数の推移:イラン危機による市場の恐怖指数の急上昇を示すチャート
VIX指数(恐怖指数)の動きを見ると、6月13日のイスラエル攻撃時に20.82まで上昇し、その後も高止まりが続いています。アメリカの攻撃発表後はさらなる上昇が予想され、一部のアナリストは30を超える可能性も指摘しています。
VIXが20を超えるということは、市場が今後30日間で大きな変動を予想していることを意味します。これは明らかに異常事態です。過去のデータを見ると、VIXが60を超えた2008年の金融危機ほどではありませんが、それでも十分に警戒すべきレベルです。
アメリカ経済への深刻な影響
今回の軍事行動がアメリカ経済に与える影響は多岐にわたります。
最も懸念されるのはインフレの再燃です。オックスフォード・エコノミクスの分析によると、最悪のシナリオでは原油価格が130ドル/バレルまで上昇し、年末までにアメリカのインフレ率が6%近くまで達する可能性があります。
これは連邦準備制度理事会(FED)の金融政策にも大きな影響を与えます。パウエル議長は「中東の不安定化は通常エネルギー価格の上昇を招く」と警告しており、今年予定されていた利下げが完全に見送られる可能性が高まっています。
さらに、既存の貿易戦争と重なることで、アメリカ経済には「複数のショック」が同時に襲いかかる状況となっています。
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株式市場への打撃
株式市場の反応も深刻です。

イラン攻撃による主要市場指標への影響:原油と安全資産が上昇、株式市場は下落
主要指数はいずれも下落しており、特にダウ平均は769ポイント(1.8%)下落、S&P500も1.2%下落しました。一方で、エネルギー関連株は上昇し、エクソンモービルが2%、防衛関連のロッキード・マーティンが3%以上上昇しています。
月曜日(6月23日)の取引開始を前に、投資家たちは「膝の関節反応的な売り」を警戒しています。インタラクティブ・ブローカーズのスティーブ・ソスニック氏は「株式が負の反応を示さないことは想像し難い」とコメントしており、市場の混乱が継続する可能性が高いです。
投資家はどう動くべきか?
この危機的状況で、われわれ個人投資家はどのような戦略を取るべきでしょうか。
安全資産への逃避を最優先に
まず基本戦略は安全資産への資金移動です。金(ゴールド)、米国債、円建て資産など、地政学的リスクに強い資産への分散投資が重要です。
UBSのアナリストは「多様化したポートフォリオの重要性」を強調しており、地政学的リスクから身を守るためには地理的分散も必要だと指摘しています。
エネルギー関連への限定的投資
原油価格の上昇は確実視されているため、エネルギー関連への投資も検討に値します。ただし、ESG投資を重視する投資家は注意が必要です。シェールオイル企業やエネルギーETFへの投資が選択肢となりますが、価格変動リスクは覚悟する必要があります。
VIXオプションによるヘッジ
上級者向けですが、VIXオプションや先物を使ったヘッジ戦略も有効です。ただし、これらの商品には時間的価値の減衰リスクがあるため、短期間での利確が必要です。
リスクを抑えた投資戦略

地政学的危機における投資戦略のインフォグラフィック
リスク管理を重視する投資家には以下の戦略をお勧めします:
iran_crisis_investment_strategy.csv
生成されたファイル
具体的な推奨ポートフォリオとして、**安全資産45%(金15%、米国債20%、日本国債10%)、エネルギー関連11%、株式45%**の配分を提案します。これにより地政学的リスクを抑えながら、ある程度のリターンも期待できます。
重要な注意点
- 感情的な判断は避ける:歴史的に見て、地政学的危機による市場への影響は一時的なことが多いです。
- ドル・コスト平均法の活用:一度に大きな投資をするのではなく、段階的な投資を心がけましょう。
- 流動性の確保:現金比率を普段より高めに設定し、急変する状況に対応できるようにしておくことが重要です。
- 分散投資の徹底:地理的にも資産クラス的にも分散を図り、単一のリスクに過度に晒されないよう注意が必要です。
最後に:個人投資家としての心構え
正直に言って、これほど大きな地政学的危機に直面するのは初めてで、私自身も不安でいっぱいです。しかし、パニックになって非合理的な判断をしてしまっては元も子もありません。
歴史を振り返ると、湾岸戦争(1990-1991年)や2003年のイラク侵攻時も、初期の市場混乱の後には回復が見られました。今回も長期的な視点を忘れずに、冷静に対応していきたいと思います。
何より大切なのは、自分のリスク許容度を超えない範囲で投資を続けることです。無理をして大きな損失を出すよりも、少しずつでも着実に資産を守り育てていく姿勢が重要だと思います。
皆さんも、くれぐれも安全第一で投資判断を行ってください。この危機的状況が一日も早く収束することを祈っています。