投資コミュニティで「米株は放っておくだけで増える」と聞いてワクワクしたものの、実際にポートフォリオを組んだら鳴かず飛ばず…そんな経験はありませんか?
僕も自宅の観葉植物を枯らした翌日に"損切り"した苦い思い出があり、「ほったらかし投資って本当に大丈夫?」と首をかしげた1人です。この記事では、米国株の「右肩上がり神話」の真実と、個別株投資で失敗しないための具体的な戦略を、実際のデータとともに解説します。
特にZoom(ZM)やPelotonのような劇的な下落例を交えながら、なぜインデックスが上昇しても個別株は別物なのかを明らかにしていきます。
Contents
米国 vs. 日本:30年スパンで見る"成長の差"
長期チャートで両国株式市場を比べると、米国S&P500指数は1995年から約11倍、日本の日経平均は約2倍にとどまります。背景には以下の要因があります:
米国市場の優位性
- 人口増加と生産性向上で拡大し続けた経済
- GAFAMなど世界的テック企業の成長
- イノベーションを促す資本市場の環境
日本市場の課題
- バブル崩壊後の長い停滞期(失われた30年)
- 人口減少・高齢化による内需の伸び悩み
- 企業の利益率改善の遅れ

30年間の株価推移比較:S&P 500は約11倍、日経平均は約2倍の成長
重要なポイントは、2000年ITバブル崩壊・2008年リーマンショックでも米国の回復が早いことです。日本は"失われた30年"から脱しつつありますが、米国との差は依然として大きいのが現実です。
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インデックスは右肩上がり、でも個別株は?
1.勝ち組は一握りの現実
JPモルガンの調査によれば、驚くべき事実が明らかになっています:

特に注目すべきデータ:
- 過去90年の米市場では、わずか4%の銘柄が市場全体の富を創出
- 55%超の個別株が長期で米国債以下のリターンに沈む
- 毎年S&P500構成銘柄の30%近くが▲5%以上のマイナス
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2.劇的な下落例:ZoomとPelotonの悲劇
Zoom(ZM)の激落ち
- ピーク時:2020年10月 $588.84
- 現在価格:$73.40
- 下落率:-87.5%
Peloton(PTON)の惨状
- ピーク時:2021年1月 $171.09
- 現在価格:$5.00
- 下落率:-98.0%

個別株の劇的な下落例:ZoomとPelotonの株価推移とS&P500の比較
これらの企業は、パンデミック時には「勝ち組」として注目されていました。しかし、環境変化とともに需要が激減し、株価も急落したのです。
3.その他の"落ちた英雄たち"
Netflix(NFLX):2022年に一時70%下落(その後回復)
Meta(META):2022年に76%下落(その後回復)
Intel(INTC):2021年から60%下落、AI競争で遅れ
Disney(DIS):2021年から53%下落、Disney+の収益化に苦戦
4."ほったらかし"が通用しない理由
- 競争激化で企業寿命は短縮
- インデックスは入れ替えで"常に勝ち組"を取り込む
- 個別銘柄は不祥事・規制・技術革新で急落リスクが高い
個別株投資で失敗しない3ステップ
ステップ① "主食"はインデックスにする
- S&P500や全世界株ETFをコアに据え、ポートフォリオの60〜80%を確保
- 低コストで市場平均を丸ごと買うことで、勝ち組4%を取り逃さない
- VTI、VOO、SPYなどの代表的ETFを活用
ステップ② "副菜"としてテーマや高配当株を少量
- 余剰資金の範囲で高配当ETF・セクターETFをトッピング
- 1銘柄の比率はポートフォリオの5%以下が目安
- 「期待」ではなく「現実的なリスク」を重視
ステップ③ 定期リバランス&出口戦略を決める
- 年1回、リスク資産比率が±5%ズレたらリバランス
- 個別株は目標株価・損切りラインを事前設定し、感情で握らない
- 「塩漬け」ではなく「計画的な長期保有」を心がける
よくあるQ&A
質問 | 回答 |
---|---|
日本株だけに投資してもダメ? | 日経平均も上昇トレンドに入ったが、セクター偏重が強くリスク分散に欠ける。米国or全世界を組み合わせる方がブレが小さい。 |
円安が進むと米株はもう買い遅れ? | 為替影響はあるが、長期では企業成長がリターンの主因。ドルコストで淡々と積立を継続すべき。 |
AIブームの"マグニフィセント7"を狙いたい | 期待は大きいが、バリュエーションは高い。指数連動と合わせ比率を抑えた分散買いが無難。 |
ZoomやPelotonみたいな失敗を避けるには? | 個別株は全体の10-20%以下に抑制。「次のGAFAM」探しより、インデックスで確実に成長の恩恵を受ける。 |
まとめ:右肩上がりの"恩恵"を最大化するコツ
- インデックスをコアにして市場平均を取り逃さない
- 個別株は少額・ルール運用で"万が一"を限定
- 年1回のリバランスで"勝手にほったらかし"を実現
- ZoomやPelotonの教訓:パンデミック特需は永続しない
僕はコーヒー豆を深入りと浅煎りでブレンドするのが趣味ですが、投資も"深い味わい"(個別株)と"安定の香り"(インデックス)の両立が大切です。
米国株の「右肩上がり」は確かに事実ですが、それはインデックス全体の話。個別株では87.5%下落(Zoom)や98%下落(Peloton)のような悲劇も起こります。
右肩上がりの伝説に惑わされず、ルールと分散でコツコツ資産を育てましょう。そうすれば、観葉植物のように、愛情込めて育てた投資ポートフォリオはきっと美しく成長してくれるはずです。