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【初心者向け】金関連のETF、GLDとGDXって何が違うの?リターンを徹底比較

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最近、金価格が絶好調ですよね。2025年10月には、なんと1トロイオンスあたり4,000ドルを超える勢いで、過去最高値を更新し続けています。この記事を読んでいる皆さんの中にも、「金に投資したいけど、どうすればいいの?」と悩んでいる方が多いのではないでしょうか。

私も投資を始めたばかりの頃は、金のETFって何があるのか全然わかりませんでした。物理的に金を買うのはハードルが高いし、保管場所も心配ですよね。でも調べてみると、**GLD(SPDR Gold Shares)GDX(VanEck Gold Miners ETF)**という2つの人気ETFがあることがわかりました。

この記事では、米国株投資を中心に8年間相場を見てきた一般投資家の視点から、この2つのETFの違いを初心者にもわかりやすく解説します。データに基づいた比較もしっかり行うので、ぜひ最後までお読みください!

金価格が順調に上昇している背景

まず、なぜ今金が注目されているのかを簡単におさらいしましょう。

2024年から2025年にかけて、金価格は驚異的な上昇を見せています。JPモルガンのアナリストによると、金価格は2025年第4四半期には平均3,675ドル/オンス、2026年第2四半期には4,000ドル/オンスに達すると予測されています。

金が買われる理由はいくつかあります。

インフレヘッジとして:インフレが進むと通貨の価値が下がりますが、金は実物資産なので価値が保たれやすいです。

地政学リスクへの対応:世界的な不確実性が高まると、安全資産として金が買われます。

中央銀行の金買い:各国の中央銀行が外貨準備として金を積極的に購入しています。

米ドル安:ドルが弱くなると、ドル建てで取引される金の魅力が相対的に高まります。

このような背景から、金関連のETFに投資する人が増えているわけです。State Street Global Advisorsの調査によると、金ETFに投資している人の84%がポートフォリオのパフォーマンス向上を実感していると回答しています。

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金関連のETFとは?

金に投資する方法はいくつかありますが、多くの投資家にとって最も手軽なのが**金ETF(Exchange-Traded Fund)**です。

金ETFには大きく分けて2つのタイプがあります。

1. 物理的な金に連動するETF

これは実際の金地金(ゴールドバー)を保有し、その価格に連動するETFです。代表的なのが**GLD(SPDR Gold Shares)**で、世界最大の金ETFとして知られています。このタイプのETFは、金価格とほぼ同じ動きをするので、純粋に金の値上がり益を狙う投資家に向いています。

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2. 金鉱株に投資するETF

こちらは金を採掘する企業の株式に投資するETFです。代表的なのが**GDX(VanEck Gold Miners ETF)**で、世界中の大手金鉱会社に分散投資します。金価格が上がると金鉱会社の利益も増えるので、理論的には金価格以上のリターンが期待できます。ただし、企業経営のリスクも伴うため、価格変動は大きくなります。

GLDとGDXの違いは?

それでは、GLDとGDXの具体的な違いを見ていきましょう。

投資対象の違い

**GLD(SPDR Gold Shares)**は、物理的な金地金そのものに投資します。ETFが実際に金を保有し、その価格変動がETFの価格に反映される仕組みです。配当はありません。

一方、**GDX(VanEck Gold Miners ETF)**は、金鉱株のポートフォリオで構成されています。世界中の金採掘企業約54社に分散投資しており、これらの企業の株価がETFの価格を決定します。配当も支払われます。

リスクとリターンの違い

GLDは金価格にほぼ連動するため、比較的安定しています。金そのものの価格変動リスクのみを負うことになります。

GDXは金価格の変動に加えて、企業の経営リスク、カントリーリスク(鉱山がある国の政治・経済リスク)、為替リスクなども影響します。その代わり、金価格が上昇すると金鉱会社の利益が大きく増えるため(固定費があるため利益が増幅されやすい)、GLDを上回るリターンが期待できます。

実際、2024年から2025年10月末までの期間を見ると、GLDの累積リターンが約91%だったのに対し、GDXは約132%と大きくアウトパフォームしています。

コスト(経費率)の違い

GLD:経費率は約0.40%です。

GDX:経費率は約0.51%です。

どちらも比較的低コストですが、GLDの方がわずかに安いです。

パフォーマンスの比較(2024年~2025年)

実際のデータで比較してみましょう。

指標GLDGDX
2024年リターン+26.96%+10.96%
2025年リターン(年初来10月末まで)+48.47%+100.96%
2024年初来の累積リターン+91.05%+132.40%

2024年はGLDが優勢でしたが、2025年に入ってからGDXが急激に追い上げ、年初来で2倍以上のリターンを記録しています。これは金価格の上昇に加えて、金鉱株への投資家の期待が高まったことが要因です。

GDXの構成銘柄は?

GDXに投資する場合、どんな企業に投資することになるのでしょうか?主要な構成銘柄を見てみましょう。

トップ5構成銘柄:

  1. Newmont Corporation (NEM) - 約13.76%
  2. Barrick Gold Corporation (GOLD) - 約5.47%
  3. Gold Fields Limited (GFI) - 約4.87%
  4. Agnico Eagle Mines Limited (AEM) - 構成比率上位
  5. Franco-Nevada Corporation (FNV) - 構成比率上位

この他にも、Kinross Gold (KGC)、Harmony Gold Mining、Endeavour Miningなど、世界中の金鉱会社が組み入れられています。

構成比率は定期的にリバランスされるため、最新情報はVanEckの公式サイトで確認することをおすすめします。

構成銘柄トップのNewmont Corporation(NEM)って?

GDXの最大保有銘柄である**Newmont Corporation(ティッカー:NEM)**について、もう少し詳しく見てみましょう。

会社概要

Newmontは1916年創業の世界最大の金鉱会社で、本社はコロラド州デンバーにあります。金だけでなく、銅、銀、亜鉛、鉛も生産しています。

事業地域

Newmontは北米、南米、オーストラリア、アフリカ、パプアニューギニアなど、世界中に鉱山を保有しています。主要な鉱山には、Brucejack、Red Chris、Penasquito、Boddington、Tanami、Cadiaなどがあります。

業績(2025年第1四半期)

2025年第1四半期の業績は非常に好調でした。

  • 金生産量:150万オンス(attributable)
  • 純利益:19億ドル
  • 調整後EBITDA:26億ドル
  • フリーキャッシュフロー:12億ドル(第1四半期として過去最高)

株価パフォーマンス

2025年10月29日時点のNEM株価は79.34ドルで、52週間の値幅は36.86ドル~98.58ドルです。PERは約12.3倍と、金鉱株としては比較的割安な水準です。

アナリストの平均目標株価は97.17ドルで、現在の株価から約23.6%の上昇余地があると見られています。

投資家へのリターン

Newmontは2025年に7.55億ドル相当の自社株買いを実施しており、株主還元にも積極的です。四半期配当も0.25ドル/株を支払っており、配当利回りは約1.27%です。

今後の見通し

Newmontは2025年通年で約590万オンスの金生産を予定しており、2024年の597万オンスとほぼ同水準を維持する計画です。また、非中核資産の売却プログラムを完了し、最大43億ドルの総収入(税引後現金収入として25億ドル以上)を得ることに成功しました。

このように、Newmontは金鉱業界のリーダーとして安定した生産と財務基盤を持っており、GDXの中核銘柄として重要な役割を果たしています。

投資家はどうする?GLDとGDXの選び方

では、結局どちらに投資すべきなのでしょうか?答えは、あなたの投資目的とリスク許容度によります

GLDが向いている人

  • 安定志向:金価格に連動した安定的なリターンを求める人
  • リスク回避:企業の経営リスクを避けたい人
  • 長期保有:ポートフォリオの一部として金を長期保有したい人
  • 初心者:金投資が初めてで、シンプルな商品が良い人

金は伝統的に「安全資産」として扱われており、株式市場が不安定な時期にポートフォリオを守る役割を果たします。専門家の多くは、ポートフォリオの5~10%を金に配分することを推奨しています。

GDXが向いている人

  • 積極投資:より高いリターンを狙いたい人
  • リスク許容度が高い:価格変動が大きくても耐えられる人
  • 短~中期投資:金価格の上昇局面で大きく利益を得たい人
  • 分散投資:金鉱株という別のアセットクラスに投資したい人

金鉱株は金価格上昇時に「レバレッジ効果」を発揮します。固定費があるため、金価格が上がると利益率が大きく向上するのです。実際、2025年の金価格上昇局面では、GDXはGLDを大きく上回るパフォーマンスを示しました。

両方に投資するという選択肢も

もちろん、両方に投資するのも一つの戦略です。たとえば、ポートフォリオの5%をGLD、3%をGDXに配分するといった形です。これにより、金の安定性と金鉱株のレバレッジ効果の両方を享受できます。

投資タイミングの考え方

金投資では「ドルコスト平均法」が有効です。毎月一定額を積み立てることで、高値掴みのリスクを減らし、平均取得単価を平準化できます。

また、金は株式市場と逆相関することが多いため、株式が下落している時期に金を買い増すのも良い戦略です。

まとめ

金関連のETFであるGLDとGDXは、それぞれ異なる特徴を持っています。

**GLD(SPDR Gold Shares)**は、物理的な金地金に連動し、安定的に金価格の変動を享受できるETFです。リスクを抑えたい投資家や、ポートフォリオの一部として金を長期保有したい人に向いています。

**GDX(VanEck Gold Miners ETF)**は、金鉱株に投資するETFで、金価格上昇時に大きなリターンが期待できる一方、価格変動も大きくなります。より積極的なリターンを狙いたい投資家に適しています。

2024年から2025年にかけての実績を見ると、GLDは約91%、GDXは約132%のリターンを記録しており、金価格の上昇局面ではGDXの方が高いパフォーマンスを示しました。

どちらを選ぶかは、あなたの投資スタイルとリスク許容度次第です。金は伝統的に安全資産とされていますが、投資である以上リスクはゼロではありません。自分の投資目的をしっかり考え、必要であれば両方に分散投資するのも良いでしょう。

金価格は今後も注目されそうです。この記事が、皆さんの金投資の第一歩を踏み出す参考になれば幸いです!

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