2025年9月、多くの投資家が注目するFANG+指数に重要な変更が発表されました。Tesla(TSLA)とSnowflake(SNOW)が指数から除外され、代わりにCrowdStrike(CRWD)とServiceNow(NOW)が新たに組み入れられることになったのです。
この入れ替えは、FANG+指数が時代の変化に対応し続けるための「新陳代謝」の一例です。私も長年米国株を見続ける中で、指数の構成変更は投資戦略を見直す重要なタイミングだと感じています。今回は、なぜこの変更が行われたのか、そして新たに加わった2銘柄にどのような投資機会があるのかを詳しく解説します。
Contents
- 1 FANG+指数とは
- 2 入れ替えの詳細
- 3 Tesla・Snowflakeが除外された理由
- 4 Tesla除外の背景
- 5 Snowflake除外の理由
- 6 新たに組み入れられた注目銘柄
- 7 CrowdStrike(CRWD)- サイバーセキュリティのリーダー
- 8 ServiceNow(NOW)- デジタル変革の促進者
- 9 株価推移と市場の反応
- 10 FANG+指数のパフォーマンス
- 11 今後の展望
- 12 CrowdStrikeの成長シナリオ
- 13 ServiceNowの将来性
- 14 投資家はどう振る舞うべきか
- 15 短期的な戦略
- 16 長期的な視点
- 17 具体的な投資アプローチ
- 18 注意すべきリスク
- 19 まとめ:新たな成長ストーリーの始まり
FANG+指数とは
FANG+指数の詳細については、以前の記事(https://j138i.com/2025_fang-_info)で詳しく説明していますが、簡単におさらいしておきましょう。
FANG+は、もともとFAANG(Facebook、Apple、Amazon、Netflix、Google)として知られていた米国の代表的テック企業に、Microsoft、Tesla、NVIDIA、Snowflake、Advanced Micro Devices(AMD)を加えた10社の均等加重指数です。
現在の構成銘柄(2025年9月時点):
- Meta Platforms(9.8%)
- Apple(11.2%)
- Amazon(10.0%)
- Netflix(9.4%)
- Alphabet(12.1%)
- Microsoft(9.7%)
- NVIDIA(10.9%)
- Broadcom(11.2%)
- CrowdStrike(7.7%) ←新規組み入れ
- ServiceNow(8.2%) ←新規組み入れ

Illustration explaining FAANG stocks, the five leading American technology companies: Meta, Apple, Amazon, Netflix, and Alphabet
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入れ替えの詳細
大和アセットマネジメントの発表によると、今回の入れ替えでは以下の変更が行われました:
除外された銘柄:
- Tesla(TSLA)
- Snowflake(SNOW)
新規組み入れ銘柄:
- CrowdStrike(CRWD)
- ServiceNow(NOW)
この変更は2025年9月の四半期リバランス時に実施され、指数をより持続可能な成長軌道に乗せることを目的としています。
Tesla・Snowflakeが除外された理由
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Tesla除外の背景
Teslaが除外された主な理由は以下の通りです:
- 業績の伸び悩み:2025年に入ってから、電気自動車市場の競争激化により成長率が鈍化
- ボラティリティの高さ:株価の変動が激しく、指数の安定性に影響
- セクター分散の観点:自動車製造業としての位置付けが、純粋なテック企業とは異なる
Snowflake除外の理由
Snowflakeについては:
新たに組み入れられた注目銘柄
CrowdStrike(CRWD)- サイバーセキュリティのリーダー
現在の株価:$417.63(+$5.17)
時価総額:約1,041億ドル
CrowdStrikeは、2011年設立のクラウドベースサイバーセキュリティ企業で、特にエンドポイント検知・対応(EDR)分野で圧倒的な強さを持っています。
事業の特徴:
- Falconプラットフォーム:リアルタイムでサイバー攻撃を検知・対応
- サブスクリプションモデル:安定した年間経常収益(ARR)を実現
- モジュール追加戦略:顧客一社あたりの売上を段階的に拡大
成長ドライバー:
- リモートワークの普及によるエンドポイントセキュリティ需要拡大
- AI技術を活用した高度な脅威検知機能
- クラウド環境でのセキュリティニーズ増加
ServiceNow(NOW)- デジタル変革の促進者

現在の株価:$913.80(+$15.24)
時価総額:約1,901億ドル
ServiceNowは、企業のワークフロー自動化とIT服管理分野で業界をリードする企業です。
事業の特徴:
- ITサービス管理(ITSM):企業のIT部門の業務効率化
- デジタルワークフロー:IT以外の部門への展開
- AI統合:業務プロセスの自動化・最適化
競争優位性:
- 企業のデジタル変革(DX)における中核的な役割
- 高い顧客満足度と解約率の低さ
- 継続的な機能追加による売上拡大

FANG+に新規組み入れされたCrowdStrike・ServiceNowの7月〜9月の株価動向
株価推移と市場の反応
7月から9月にかけて、両銘柄ともに調整局面を経験しています:
- CrowdStrike:$492.07 → $417.63(-15.1%)
- ServiceNow:$1,011.89 → $913.80(-9.7%)
この下落は、主に以下の要因によるものです:
しかし、FANG+組み入れにより、パッシブファンドからの買い需要が期待できるため、中長期的には上昇要因となる可能性があります。
FANG+指数のパフォーマンス

FANG+指数自体のパフォーマンスも確認しておきましょう:

NYSE FANG+指数と主要指数の期間別パフォーマンス比較(2025年4月末時点)
主要指数との比較(2025年4月末時点):
- YTD 2025:FANG+ -5.8% vs NASDAQ 100 -6.7% vs S&P 500 -5.6%
- 1年リターン:FANG+ 27.6% vs NASDAQ 100 13.1% vs S&P 500 14.4%
- 3年年率:FANG+ 32.5% vs NASDAQ 100 16.0% vs S&P 500 16.2%
長期的には圧倒的なアウトパフォーマンスを記録していますが、2025年は調整局面にあります。
今後の展望
CrowdStrikeの成長シナリオ
- サイバー脅威の増加:地政学的リスクの高まりに伴うセキュリティ需要拡大
- AI統合の加速:機械学習による脅威検知精度の向上
- 国際展開:米国以外の市場での成長余地
ServiceNowの将来性
- DX需要の拡大:企業のデジタル変革が本格化
- AI活用の深化:業務自動化の範囲拡大
- プラットフォーム戦略:エコシステムの構築による競合優位性強化
投資家はどう振る舞うべきか
短期的な戦略
- 押し目買いの検討:現在の調整局面は投資機会となる可能性
- 分割投資:一度に大きな金額を投資せず、段階的に積み増し
- 決算発表前後の注意:四半期決算での業績確認が重要
長期的な視点

私個人の経験から言えば、指数の構成変更は長期投資においてプラス要因となることが多いです。特に今回の変更は:
- 成長性の向上:より持続可能な成長が期待できる銘柄への転換
- リスク分散:セクター分散がより効果的に
- 時代適応:AI・サイバーセキュリティといった成長分野への重点化

Data center technology and cloud computing illustrate the Internet of Things connectivity and top cloud providers like AWS, Azure, and Google Cloud
具体的な投資アプローチ
積極派の投資家:
- FANG+連動のETFや投資信託への投資拡大
- CrowdStrike、ServiceNowの個別株投資も検討
慎重派の投資家:
- 既存のポートフォリオ内でのFANG+比重を維持
- 四半期決算の推移を見守って判断
初心者投資家:
- まずはFANG+連動の投資信託から開始
- 少額からの積立投資でリスクを抑制
注意すべきリスク
投資判断を行う際は、以下のリスクも考慮が必要です:
- 金利リスク:FRBの金融政策変更による影響
- 規制リスク:テック企業への規制強化の可能性
- 競合リスク:新興企業による市場シェア侵食
- 地政学リスク:米中関係悪化による事業への影響
まとめ:新たな成長ストーリーの始まり
FANG+の9月入れ替えは、指数が時代の変化に適応し続けていることを示す重要な事例です。TeslaとSnowflakeの除外により、より持続的な成長が期待できる構成になったと考えられます。
新たに組み入れられたCrowdStrikeとServiceNowは、サイバーセキュリティとデジタル変革という、今後数年間で最も成長が期待される分野のリーダー企業です。短期的には株価調整が続く可能性もありますが、中長期的には大きな投資機会を提供する可能性があります。
FANG+投資を検討している方は、この構成変更を機に、改めて投資戦略を見直してみることをお勧めします。ただし、投資は必ずリスクを理解した上で、自己責任で行うようお願いします。
※この記事は情報提供を目的としており、投資の推奨や助言を行うものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
参考資料:
- 大和アセットマネジメント FANG+関連資料
- NYSE FANG+指数公式情報
- 各企業の決算資料・IR情報