最近、NVIDIAの株価が連日最高値を更新するニュースを見て、心がざわついたことはありませんか? SNSを開けば「今月だけで○○万円の利益!」という投稿が目に飛び込み、「自分だけが置いていかれているのでは...」という不安に駆られる—そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。
私自身、朝のコーヒーを飲みながら株価チェックをする日課の中で、急騰銘柄を見るたびに「もっと早く気づいていれば...」と思うことがあります。この感情の正体こそが、現代の投資家を悩ませる「FOMO(フォーモ)」なのです。
今回は、2025年6月現在の市場環境を詳しく分析しながら、このFOMOという心理現象と上手に付き合っていく方法を、同じ投資家の目線でお伝えしていきます。
Contents
- 1 FOMOとは?投資家なら避けて通れない「取り残される恐怖」
- 2 FOMOの心理メカニズム
- 3 2025年6月の経済状況:FOMO心理が生まれやすい市場環境
- 4 米国経済の現状分析
- 5 株式市場の劇的な回復
- 6 投資家心理の変遷
- 7 FOMOが発生しやすい環境要因
- 8 FOMO相場で投資家はどうすべきか?実践的な対処法
- 9 1. 自分の投資ルールを再確認し、厳守する
- 10 2. 情報との適切な距離感を保つ
- 11 3. 長期的視点を忘れない
- 12 4. 感情をコントロールする技術を身につける
- 13 5. リスク管理を徹底する
- 14 FOMO克服の鍵:市場から退場しないことの重要性
- 15 成功する投資家の共通点
- 16 FOMOを「学習の機会」として捉える
- 17 まとめ:FOMOと上手に付き合い、持続可能な投資を目指そう
FOMOとは?投資家なら避けて通れない「取り残される恐怖」
FOMOとは「Fear Of Missing Out」の略で、直訳すると「機会を逃すことへの恐怖」を指します。投資の世界では、「このチャンスを逃したら、もう二度と同じような利益を得られないのではないか」という強い不安や焦燥感として現れます。
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FOMOの心理メカニズム
FOMOは単なる「羨ましい」という感情を超えた、より深刻な心理状態です。その背景には以下のような心理的要因があります:
- 群集心理:「みんなが買っているから安全だろう」という思い込み
- 確証バイアス:都合の良い情報ばかりに目を向ける傾向
- 損失回避の本能:機会損失を実際の損失以上に重く感じる心理
- ソーシャルプルーフ:他人の成功体験に強く影響される傾向

FOMO行動の各段階における感情と理性のバランス
この心理状態は進化心理学的に見ると、集団から排除されることへの原始的な恐怖に根ざしており、現代の投資環境では「利益を得る機会を逃すことへの不安」として表現されます。
2025年6月の経済状況:FOMO心理が生まれやすい市場環境
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米国経済の現状分析
2025年第1四半期の米国経済は複雑な様相を呈しています。実質GDP成長率は前期比年率-0.2%と、3年ぶりのマイナス成長となりました。しかし、この数字に惑わされてはいけません。
GDP成長率がマイナスになった主因は、関税前の駆け込み需要による輸入急増が成長率を押し下げたためです。実際に国内最終需要は2.0%、民間最終需要は2.5%と底堅い成長を維持しており、経済の実態は決して悪くありません。
株式市場の劇的な回復
一方で、株式市場は5月以降、劇的な回復を見せています。2025年5月の米国株式市場では、主要3指数がそろって大幅高となりました:
- ダウ平均:前月比3.9%上昇
- S&P500:前月比6.2%上昇
- ナスダック総合:前月比9.6%上昇
特にナスダック総合は4月8日の安値から20%超値上がりし、「強気相場」入りを果たしました。この急激な上昇が、多くの投資家にFOMO心理を引き起こしています。
投資家心理の変遷
投資家心理の変化も注目に値します。米個人投資家協会(AAII)の調査によると、投資家心理は以下のように推移しています:

AAII投資家心理調査の推移(2025年4月-6月)
6月26日時点での強気投資家の割合は35.1%と、依然として歴史的平均の38.0%を下回っています。一方で弱気投資家の割合は40.3%と、歴史的平均の30.5%を大きく上回っており、投資家心理の慎重さが表れています。
FOMOが発生しやすい環境要因
現在の市場環境は、まさにFOMO心理が発生しやすい条件が揃っています:
- 急激な市場回復:3月の大幅下落から5月の急回復により、「乗り遅れ感」が増大
- ハイテク株の突出:NVIDIAなどAI関連株の連日高値更新
- 情報過多:SNSでの成功体験シェアが増加
- 不確実性の高さ:経済指標と株価の乖離が混乱を招く
FOMO相場で投資家はどうすべきか?実践的な対処法
1. 自分の投資ルールを再確認し、厳守する
感情が高ぶった時こそ、基本に立ち返ることが重要です。私も投資を始めた頃に決めた「高値掴みは絶対にしない」というルールを、市場が熱狂している時ほど強く意識するようにしています。
具体的な対策:
2. 情報との適切な距離感を保つ
現代の投資環境では、情報過多がFOMO心理を助長します。SNSの「爆上げ!」といった煽り投稿や、信憑性の低い「億り人」の成功談に振り回されないことが重要です。
デジタルデトックスの実践:
3. 長期的視点を忘れない
FOMOは短期的な値動きに目を奪われた時に起こりやすい現象です。資産形成は長距離走であり、短期的な機会を逃したからといって、将来の成功が閉ざされるわけではありません。
長期投資の心構え:
4. 感情をコントロールする技術を身につける
投資における感情管理は技術です。以下の手法を実践することで、FOMOに支配されない冷静な判断ができるようになります:
実践的なテクニック:

米国株式市場のパフォーマンスとVIX恐怖指数の推移(2025年1月-6月)
5. リスク管理を徹底する
FOMO心理下では、リスク管理がおろそかになりがちです。以下の原則を守ることで、感情的な投資から身を守れます:
FOMO克服の鍵:市場から退場しないことの重要性
投資における最大の敵は、市場からの退場です。FOMOに駆られた衝動的な投資で大きな損失を被り、投資そのものを諦めてしまうことが最も避けるべき事態です。
成功する投資家の共通点
長期的に成功している投資家の共通点は、一貫性と継続性です。彼らは以下の特徴を持っています:
- 短期的な機会損失を恐れない
- 自分の投資哲学を持ち、それを貫く
- 市場の喧騒に惑わされない冷静さを保つ
- 失敗から学び、改善し続ける姿勢
FOMOを「学習の機会」として捉える
FOMOを感じること自体は、投資家として自然な反応です。重要なのは、その感情を否定するのではなく、「なぜ今、この感情を抱いているのか」を客観的に分析することです。
- 自分の投資目標の再確認
- リスク許容度の見直し
- 情報収集方法の改善点
- 感情管理スキルの向上
まとめ:FOMOと上手に付き合い、持続可能な投資を目指そう
FOMOは投資家なら誰もが経験する自然な感情であり、完全に排除することは困難です。しかし、その正体を理解し、適切な対処法を身につけることで、FOMOを自分の投資哲学を見つめ直すきっかけとして活用できます。
2025年6月現在の市場環境は、確かにFOMO心理が生まれやすい状況にあります。しかし、こうした時期こそ、冷静さを保ち、長期的な視点で投資を続けることの価値が問われています。
私たち個人投資家にとって最も重要なのは、市場の喧騒に惑わされることなく、自分のペースで着実に資産を育てていくことです。一時的な機会を逃したとしても、それが投資人生の終わりを意味するわけではありません。
むしろ、FOMOを感じた時こそ一歩立ち止まり、「なぜ投資をしているのか」という原点に立ち返る良い機会かもしれません。周りの成功に焦ることなく、自分なりの投資スタイルを確立し、長期的な資産形成を目指していきましょう。
と言われてもうまくいかないし、波に乗った方がいい時もあります。個人的には、何度も経験することでこういうものの失敗率もだんだんと下がると思います。正しい知識を入れて失敗と成功を繰り返すことが良い投資家になる近道かな?と感じています