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【2025年6月】原油株ってどうなっていくの?どう付き合えばよい?

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はじめに

こんにちは。投資歴10年の個人投資家です。実は私、5年前に原油株で痛い目を見た経験があります。コロナショック直前に大きくポジションを取ってしまい、WTI原油がマイナス価格になった時は本当に肝を冷やしました。でも、その経験があったからこそ、今回の中東情勢を冷静に分析できているのかもしれません。

先日、イスラエル・アメリカがイランを攻撃したニュースが駆け巡り、原油価格が急騰しました。それに伴って原油株も軒並み上昇していますが、「これっていつまで続くの?」と疑問に思っている投資家も多いのではないでしょうか。

今回は、現在の中東情勢が原油市場に与える影響と、私たち個人投資家がどう原油株と付き合っていくべきかについて、データを交えながら解説していきます。

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何が起きているのか?中東情勢の整理

攻撃の概要

2025年6月21日、トランプ米大統領はイランの核施設3カ所に空爆を行い、イスラエルによるイランへの攻撃に直接参加するという前代未聞の決断を下しました。この攻撃は「真夜中の鉄槌」と名付けられ、バンカーバスター14発が使用されたと報じられています

イスラエルのネタニヤフ首相は、この攻撃について「歴史を変える」出来事だと称賛し、トランプ大統領の「大胆な決断」を評価しています

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原油価格への即座の影響

この攻撃を受けて、原油価格は即座に反応しました

  • 東京市場: 中東産原油先物価格が2025年11月もので1キロリットルあたり6万6390円まで上昇(4月初旬以来2か月半ぶりの高値)
  • 米国市場: WTI原油先物が1バレル75ドルと今年1月以来5か月ぶりの高値を記録
  • 国際市場: ブレント原油とWTI原油がいずれも一時10%超上昇

原油株の動向

エネルギーセクターの逆行高

6月13日の米国市場では、中東情勢の緊迫化を背景にS&P500株価指数が1.1%下落する中、エネルギーセクターだけが1.7%の逆行高となりました。地政学リスクに対する資金の逃避先として原油株が買われた格好です

主要原油株の構成

現在注目されている主要な米国原油株には以下があります

銘柄ティッカー特徴
エクソン・モービルXOM世界最大級の石油メジャー、41年連続増配
シェブロンCVX石油メジャー、垂直統合型企業
コノコ・フィリップスCOPシェール事業に積極投資
オクシデンタル・ペトロリアムOXYシェール企業大手
ウィリアムズ・カンパニーズWMBパイプライン運営

私も実は、エクソン・モービルを長期保有しています。配当の安定性に魅力を感じて投資を始めましたが、今回の地政学リスクでは思わぬ恩恵を受けています。

いつまで続くのか?長期見通しの分析

短期的な価格予測

世界銀行の最新見通しによると、原油価格は以下のように予測されています

  • 2025年: ブレント原油平均64ドル/バレル
  • 2026年: ブレント原油平均60ドル/バレル

現在の75ドル水準は明らかに地政学プレミアムが上乗せされた状態であり、情勢が落ち着けば下落する可能性が高いとされています

中長期的な構造変化

より重要なのは、エネルギー業界の構造的な変化です

  1. 石油需要のピーク: IEAによると、世界の石油需要は2028年頃にピークを迎えると予測されています
  2. 電気自動車の普及: 輸送用石油需要は2026年以降減少に転じる見通し
  3. 供給過剰: 2025年は日量70万バレルの供給過剰が生じると予測

原油価格の推移データ

年月WTI原油価格($/バレル)前年同月比
2024/0678.89+12.7%
2024/1269.79-3.5%
2025/0175.14+1.4%
2025/0463.08-25.4%
2025/0561.03-22.6%
2025/0675.00-4.9%

出典:新電力ネット統計データより作成

この表からも分かるように、2025年に入ってから原油価格は下落トレンドにありましたが、今回の中East情勢で再び上昇しています。

投資家はどう付き合うべきか?

1. 短期トレード vs 長期投資の使い分け

短期トレード

  • 地政学リスクを利用した短期的な値幅取り
  • CFDやETFを活用
  • リスク管理を徹底

長期投資

  • 配当重視の安定運用
  • メジャーオイル企業への分散投資
  • エネルギー転換への対応力を重視

2. ETFを活用した分散投資

個別株リスクを避けたい場合は、エネルギーセクターETFの活用も有効です

ETF経費率特徴
XLE0.09%大型株中心、高流動性
VDE0.10%幅広い分散、中小株も含む

3. 株主還元方針の確認

原油株投資では、株主還元方針の確認が重要です。例えば:

  • ENEOSホールディングス: 3年平均で当期利益の50%以上を配当・自社株買いで還元
  • INPEX: 総還元性向40%以上を目途
  • 出光興産: 総還元性向50%以上、配当下限36円/株

リスク要因と注意点

1. 地政学リスクの一時性

現在の価格上昇は地政学的な要因が主であり、基本的には一時的なものと考えられます。イランとイスラエルの直接的な衝突が長期化する可能性は低く、米国の仲裁により早期に停戦合意に至る可能性があります

2. 長期的な需要減少トレンド

脱炭素化の流れは止まらず、石油需要は長期的に減少していく見通しです。投資家は、この構造変化を織り込んだ投資戦略を立てる必要があります。

3. ボラティリティの高さ

エネルギー株は原油価格に連動してボラティリティが高くなる傾向があります。リスク管理ツールの活用や適切なポジションサイズの管理が重要です。

まとめ:私たちの投資戦略

今回の中東情勢による原油価格上昇は、短期的には続く可能性がありますが、長期的には下落圧力が強いというのが大方の見方ですここを忘れず、投資判断を下しましょう。

私自身の投資戦略としては:

  1. 短期的な地政学プレミアムは一時的と捉え、利益確定のタイミングを見極める
  2. 長期投資では配当重視で、安定的な株主還元を行う企業を選択
  3. エネルギー転換への対応力を持つ企業への投資比重を高める
  4. ポートフォリオ全体の5-10%程度に抑えてリスク管理

原油株は確かに魅力的な投資対象ですが、構造的な変化期にあることを忘れてはいけません。地政学リスクを短期的な機会として捉えつつ、長期的な視点で慎重に投資していくことが重要だと考えています。

皆さんも、ぜひ冷静な分析のもとで投資判断を行ってください。

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