2025年に入り、米国株Robinhood Markets($HOOD)が再び市場の注目を集めています。パンデミック時代の個人投資ブームで一世を風靡した同社ですが、ここにきて株価が急騰中。その背景や今後の展望、投資家として気になるポイントをまとめます。
Robinhood株が急上昇している理由
- 暗号資産(仮想通貨)ブームの追い風
Robinhood株は2025年6月、暗号資産市場の盛り上がりを背景に、過去最高値を更新。6月3日には前日比5.5%高の$71.72で取引を終え、IPO直後の高値を超えました。 - Bitstamp買収でグローバル展開加速
株価急騰の直接要因は、欧州最大級の暗号資産取引所Bitstampの買収完了です。これによりRobinhoodは50以上の暗号資産関連ライセンス、EU・英国・米国・アジアなどの広範な顧客基盤、そして初の機関投資家向け暗号資産事業への参入を実現しました。 - 業績も絶好調
2025年第1四半期決算では、純利益が前年同期比2倍超の$3.36億、売上高は50%増の$9.27億を記録。顧客の純預金流入は過去最高、プレミアム会員「Robinhood Gold」も320万人に達しています。
事業の進化と強み
- 金融スーパーアプリ化へ
Robinhoodは株式・ETF・オプション・暗号資産だけでなく、ウェルスマネジメント、バンキング、AI投資ツール(Cortex)など多角化を進めています。2025年にはカナダや欧州への進出、予測市場(Prediction Markets)サービスも開始し、金融サービスの総合プラットフォームを目指しています。 - 若年層を中心に圧倒的なユーザー基盤
2025年3月時点で2,580万口座、預かり資産は2,210億ドル。平均顧客年齢は35歳と若く、ミレニアル・Z世代の投資家を囲い込んでいます。
今後の見通しとリスク
- アナリスト評価は「やや強気」
直近12ヶ月で18人のアナリスト中12人が「買い」、6人が「ホールド」と評価。平均目標株価は$55〜66台ですが、現在の株価はそれを上回っており、強気と慎重派が混在しています。 - 成長率は業界平均を大きく上回る予想
2025年の売上成長率は前年比26%増と、同業他社平均(5.7%)を大きく上回る見通し。EPSも$1.42と高水準が予想されています。 - リスク要因
- 暗号資産市場への依存度が高く、ビットコインなどの価格変動が業績に直結。
- 利上げ局面から利下げ局面に転じると、金利収入減少のリスク。
- 過去の規制・法的トラブル(FINRA罰金や調査)が尾を引く可能性。
- 株価バリュエーションはやや割高との指摘も(P/S比14倍超)。
まとめ:Robinhood株はどう見るべき?
Robinhoodは暗号資産市場の好調や積極的なM&A、サービス拡充を背景に、株価・業績ともに絶好調です。特にBitstamp買収でグローバルかつ機関投資家向けの暗号資産事業に本格参入したことは、今後の成長ストーリーを強く後押しします。
一方で、暗号資産依存や金利動向、規制リスクなど不安材料も残るため、短期的な値動きには注意が必要。中長期で「金融スーパーアプリ」への進化に賭けるなら、分散投資の一部として検討する価値は十分ありそうです。
投資判断は自己責任で!最新のニュースや決算を必ずチェックしましょう。