最近、Twitterで「$OKLO爆上げしてる!」「$SMRも負けてない!」という投稿をよく見かけませんか?私も朝のコーヒーを飲みながらチャートを眺めていると、この2銘柄の値動きの激しさには正直驚かされます。
小型モジュール炉(SMR)という次世代原子力技術への投資熱が高まる中、OKLOと**SMR(NuScale Power)**の2大銘柄が投資家の注目を集めています。しかし、同じSMR関連株といっても、両社の技術やビジネスモデルには大きな違いがあることをご存知でしょうか?
今回は、この2社を徹底的に比較分析し、どちらが投資対象として魅力的なのかを詳しく解説していきます。
Contents
- 1 株価推移から見る両社のパフォーマンス
- 2 OKLO vs SMR:技術的特徴の徹底比較
- 3 OKLOの「Aurora」技術
- 4 SMR(NuScale)の「VOYGR」技術
- 5 両社の企業基盤と財務状況
- 6 SMR市場の将来性:518億ドル市場への道筋
- 7 競合他社との比較:業界全体の動向
- 8 投資家が注目すべきリスクと機会
- 9 OKLOの投資ポイント
- 10 SMR(NuScale)の投資ポイント
- 11 AI時代のエネルギー革命:メタの20年契約が示すもの
- 12 投資判断:どちらを選ぶべきか?
- 13 保守的な投資家にはSMR(NuScale)
- 14 革新的技術に賭けたい投資家にはOKLO
- 15 まとめ:SMR投資の本質を見極める
株価推移から見る両社のパフォーマンス
まずは実際の株価パフォーマンスを比較してみましょう。2024年5月のOKLO上場以降の推移を見ると、興味深い結果が浮かび上がります。

OKLOとSMR(NuScale Power)の株価推移を2024年5月から正規化して比較したチャート
驚くべき成長率を記録している両社ですが、SMRの方が若干優勢な結果となっています。SMRは約539%のリターンを記録し、OKLOの408%を上回る成績を見せました。
ただし、この数字だけで投資判断を下すのは早計です。重要なのは、それぞれの企業が持つ技術力とビジネスモデルの違いを理解することです。
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OKLO vs SMR:技術的特徴の徹底比較
OKLOの「Aurora」技術
OKLOが開発する**「Aurora」**は、従来の原子炉とは全く異なるアプローチを採用しています:
- 高速炉型のマイクロ原子炉(15-50MW)
- 液体金属ナトリウム冷却方式
- HALEU燃料(高濃縮低ウラン)使用
- 最大20年間の燃料交換不要
- 使用済み核燃料のリサイクル技術
最も革新的なのは、燃料リサイクル技術です。使用済み核燃料を再利用することで、廃棄物を大幅に削減できるという画期的な特徴を持っています。
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SMR(NuScale)の「VOYGR」技術
一方、NuScale Powerの**「VOYGR」**は、より保守的で実用的なアプローチです:
- 軽水炉型SMR(77MW × 最大12基)
- 軽水冷却(自然循環)
- 従来型ウラン燃料
- 24ヶ月周期の燃料交換
- モジュール化設計による安全性向上
NuScaleの最大の強みは、すでにNRC(米国原子力規制委員会)の設計認証を取得済みという点です。これは商業化への大きなアドバンテージとなります。
両社の企業基盤と財務状況
財務面での比較も重要なポイントです:
項目 | OKLO | SMR (NuScale) |
---|---|---|
現在株価 | $75.32 | $39.35 |
時価総額 | 約110億ドル | 約117億ドル |
年初来騰落率 | +407.89% | +1,153.18% |
従業員数 | 113人 | 330人 |
著名投資家 | サム・アルトマン | 政府・大手電力 |
SMRの方が年初来騰落率では圧倒的ですが、これは2024年初めの株価がOKLOより低かったためです。
興味深いのは、OKLOの背後にOpenAIのサム・アルトマンがいるという点です。AI革命を推進する彼が原子力に投資する理由は明確で、「AIデータセンターの爆発的な電力需要増加」への対応です。
SMR市場の将来性:518億ドル市場への道筋
年 | 市場規模 | CAGR | 主な成長要因 |
---|---|---|---|
2024年 | 58億ドル | - | 技術開発初期段階 |
2025年 | 60億ドル | 2.8% | AI・データセンター需要拡大 |
2030年 | 76億ドル | 2.8% | クリーンエネルギー需要増 |
2035年 | 518億ドル | 42.31% | 商業化・量産効果 |
2035年までに518億ドル市場に成長するという予測は、現在の58億ドルから約9倍の拡大を意味します。この成長を牽引するのが、AI・データセンターの電力需要爆増です。
競合他社との比較:業界全体の動向
SMR業界には他にも注目すべき企業があります:
企業名 | 技術タイプ | 電力出力 | 著名投資家 | 商業運転予定 | 上場状況 |
---|---|---|---|---|---|
OKLO | 高速炉(Aurora) | 15-50MW | サム・アルトマン | 2027年末 | ○(NYSE:OKLO) |
SMR | 軽水炉(VOYGR) | 77MW × 12基 | 政府・大手電力 | 2030年代前半 | ○(NYSE:SMR) |
TerraPower | ナトリウム冷却高速炉 | 345MW | ビル・ゲイツ | 2030年 | ×(未公開) |
特にビル・ゲイツのTerraPowerは、10億ドル以上の投資を受けて2030年の商業運転を目指しています。しかし、未公開企業のため一般投資家は投資できません。
投資家が注目すべきリスクと機会
OKLOの投資ポイント
機会:
リスク:
- NRC審査がまだ完了していない
- 技術が革新的すぎて実用化に時間がかかる可能性
- PERが-160.26と赤字続き
SMR(NuScale)の投資ポイント
機会:
リスク:
- 2023年にアイダホ州プロジェクト中止の実績
- 商業運転が2030年代前半と遅め
- より保守的な技術で差別化が困難
AI時代のエネルギー革命:メタの20年契約が示すもの
2025年6月、メタがAIデータセンター向けに20年間の原子力発電契約を締結したニュースは、業界に大きな衝撃を与えました。
私も自宅でChatGPTを使うたびに思うのですが、AIの1回の質問がGoogle検索の約10倍の電力を消費するという事実は、まさにエネルギー革命の必要性を物語っています。
2030年までにデータセンターの電力消費量が倍増し、日本の総電力消費量を上回る見通しという予測も、SMR技術への投資機運を高める重要な要因です。
投資判断:どちらを選ぶべきか?
正直に言うと、これは非常に悩ましい選択です。私自身、両銘柄を少しずつ保有していますが、それぞれ異なる投資戦略に適していると考えています。
保守的な投資家にはSMR(NuScale)
- 規制認可済みで実用化リスクが低い
- 従来技術ベースで予想しやすい
- 大手電力会社との連携が期待できる
革新的技術に賭けたい投資家にはOKLO
- 破壊的イノベーションの可能性
- AI革命の恩恵を直接受ける可能性
- 早期の商業運転による先行者利益
まとめ:SMR投資の本質を見極める
両社とも**「売上がこれから」という共通点**を持っています。つまり、現在の株価は将来への期待値で決まっているということです。
重要なのは、ここからのビジネス化の成功確率です。NuScaleの保守的なアプローチか、OKLOの革新的な賭けか。どちらを選ぶかは、投資家の価値観とリスク許容度次第でしょう。
私は朝のコーヒータイムに市場をチェックしながら、「10年後、どちらの技術が世界を変えているだろうか」と想像することがあります。正解は誰にもわかりませんが、だからこそ投資は面白いのかもしれませんね。
投資はあくまで自己責任で、分散投資を心がけることをお勧めします。