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NVDAの将来を真剣に考える時期?株価上昇の勢いに変化の兆し

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ここ数年、NVDA(エヌビディア)株を保有している投資家にとって、まさに夢のような相場が続いてきました。私も毎朝コーヒーを飲みながら株価をチェックするのが日課となっていますが、最近少し気になる変化を感じています。

2024年には驚異的な178.8%の上昇を見せたNVDAですが、2025年に入ってからの動きを冷静に分析すると、投資家として今後の戦略を見直すべき時期に来ているかもしれません。

NVIDIA株の期間別騰落率

NVIDIA株の期間別騰落率

1年のローリング騰落率は、以下の感じで、だんだん、勢いが弱くなってきているかもしれません

NVIDIA株の現在地:数字で見る現実

まず、事実から整理してみましょう。NVDAは2024年初の48.17ドルから年末には134.29ドルまで上昇し、年間騰落率は178.8%という驚異的なパフォーマンスを見せました。しかし、2025年に入ってからの状況は少し異なります。

現在価格は177.82ドルで、年初来(YTD)では32.4%の上昇となっています。一見すると良好な数字ですが、8月の最高値184.48ドルからは3.6%下落しており、直近30日では2.4%の小幅上昇にとどまっています。

NVIDIA株価推移(2024年1月〜2025年9月)

NVIDIA株価推移(2024年1月〜2025年9月)

特に注目すべきは、2025年4月に86.62ドルという年間最安値をつけた後、急激に回復したものの、最近の動きが横ばい傾向にあることです。年率換算で54.6%という高いボラティリティも、投資家にとってはリスク要因として認識すべき点でしょう。

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アナリスト予想:慎重さが見え隠れする目標株価

証券アナリスト43名の平均目標株価は207.83ドル(約17%上昇)となっており、最高値予想は250ドル、最低値予想は100ドルと大きな開きがあります。興味深いのは、多くのアナリストが「強い買い」を推奨している一方で、一部では慎重な見方も出始めていることです。

ゴールドマン・サックスは200ドル、TD Cowenは235ドル、UBSは205ドルの目標価格を設定していますが、これらの数字は以前と比較すると若干保守的になっている印象があります。

競争激化:NVDAの優位性に変化の兆し

私がソフトウェア開発の現場で感じるのは、AI市場の競争環境が急速に変化していることです。NVDAは現在でもAI加速器市場の約80%を占める圧倒的なシェアを持っていますが、競合他社の追い上げが目立ってきています。

AMDのMI300シリーズは2024年に20億ドル以上の収益を生み出すと予想され、IntelのGaudi AIチップはNVDAのH100よりも50%安価な価格設定で市場参入を狙っています。

さらに深刻なのは、GoogleやMicrosoft、Amazonといった主要顧客が独自チップの開発を進めていることです。これは長期的にNVDAの売上に影響を与える可能性があります。

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今後の投資戦略:3つのシナリオを検討

シナリオ1:一部売却して他銘柄へ分散

NVDAの高いバリュエーション(PER約51倍)を考慮すると、利益確定の一部売却は合理的な判断かもしれません。売却資金でAMDやIntel、あるいはAI関連の他の成長銘柄に分散投資することで、リスクを軽減しつつ成長機会を確保できます。

特にAMDは、NVDAと比較して低いバリュエーションでありながら、AI市場での存在感を高めており、分散投資先として魅力的な選択肢となるでしょう。

シナリオ2:全売却による利益確定

178.8%という2024年の驚異的な上昇を考えれば、全売却による利益確定も十分に検討に値します。特に以下の懸念材料を考慮すると、リスク回避の観点から妥当な選択かもしれません:

  • DeepSeekなど中国企業による低コストAIモデルの台頭
  • AI投資バブルへの懸念
  • 規制リスクの高まり

シナリオ3:継続保有(ホールド戦略)

長期的な視点に立てば、AI革命はまだ始まったばかりです。Jensen Huang CEOは、データセンター支出が2030年までに3〜4兆ドルに達すると予測しており、これが実現すればNVDAの売上は6倍以上に拡大する可能性があります。

現在のPER51倍も、年率50%を超える成長を考慮すれば決して高すぎるとは言えません。実際、多くの機関投資家が保有比率を70%以上に引き上げていることからも、長期的な成長ポテンシャルへの確信がうかがえます。

私が考える現実的な対応策

投資は人それぞれの状況や目標によって最適解が異なりますが、私が現在の状況で考える現実的なアプローチは以下の通りです:

段階的なリバランシングを実施し、NVDAの保有比率を段階的に調整していくことです。例えば、現在の保有量の20-30%を利益確定し、その資金でAI関連の他銘柄や、より安定したテクノロジー株に分散投資する方法が考えられます。

これにより、NVDAの今後の成長ポテンシャルを享受しつつ、集中投資リスクを軽減できます。また、市場の変化に応じて柔軟に対応する余地も確保できるでしょう。

まとめ:冷静な判断が求められる局面

NVDAは間違いなく優秀な企業であり、AI革命の中核を担う存在です。しかし、株価が大幅に上昇した現在、投資家としては感情的な判断ではなく、冷静なリスク評価に基づいた戦略的な判断が求められています。

市場環境の変化、競争の激化、バリュエーションの高さを総合的に考慮し、自身のリスク許容度と投資目標に合った適切な対応を取ることが重要です。NVDAの成長ストーリーは魅力的ですが、「卵を一つのカゴに盛らない」という投資の基本原則も忘れてはなりません。

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