米国株

米株ETFで通常インデックス投資より大きなリターンを得ろ!

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はじめに:米国株ETF投資の魅力と注意点

米国株ETF投資は、手軽に分散投資ができる商品として多くの投資家に支持されています。しかし、日本の投資家が米国株に投資する際には、為替変動リスクという独特な要素を考慮する必要があります。本記事では、為替の影響と投資信託との手数料比較も含めて、効率的な米国株ETF投資戦略を解説します。

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投資信託とETFの手数料比較

主要な手数料項目の違い

投資信託とETFには、それぞれ異なる手数料体系があります。ETFの主な手数料は「売買手数料」と「信託報酬」の2つで、売買手数料は証券会社によって異なり、最近は「売買手数料ゼロ」を掲げるネット証券も増えています

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具体的な手数料比較

商品カテゴリ購入時手数料信託報酬(年率)売却時手数料特徴
米国株ETF (SPY)証券会社による0.0945%証券会社による低コスト、流動性高
米国株投資信託 (eMAXIS Slim)無料0.09372%無料自動積立可能
日本株ETF証券会社による0.11077%証券会社による国内取引所上場
日本株投資信託無料0.143%無料自動積立可能
投資信託とETFの信託報酬(運用コスト)比較

投資信託とETFの信託報酬(運用コスト)比較

上記の比較から分かるように、米国株商品は日本株商品よりも低コストで運用できます。ETFと投資信託の信託報酬の差は僅少であり、むしろ投資信託の方が購入・売却時手数料が無料という利点があります

為替変動が米国株投資に与える影響

為替リスクの基本理解

米国株投資では、株価変動に加えて為替(ドル円)変動リスクも考慮する必要があります。株価が上昇しても円高ドル安が進むと為替差損が発生し、逆に株価が下落しても円安ドル高による為替差益で株価の値下がりをカバーできる場合もあります

為替変動の実際の影響度

2000年以降の円建てリターンは平均11.5%でしたが、このうち株価要因は7.2%、為替要因は1.9%でした。米国株投資の円建てリターンに対するドル円変動の影響は株価に比べて小さく、投資期間を3年間、5年間と延ばすと、為替要因は平均1.0%、0.6%とさらに小さくなります

為替変動シミュレーション

購入時を120円/ドルと想定した場合の為替変動影響は以下の通りです:

為替レート株価変動なし時の損益株価+10%時の損益
110円/ドル-9.1%0%
120円/ドル0%+10%
130円/ドル+8.3%+19.2%
140円/ドル+16.7%+28.3%
150円/ドル+25%+37.5%
為替変動が米国株投資に与える影響(購入時120円/ドル想定)

為替変動が米国株投資に与える影響(購入時120円/ドル想定)

このデータから、円安時は為替差益でリターンが大幅に向上し、円高時は為替差損でリターンが悪化することが明確に分かります

為替リスクへの対策方法

1. ドルコスト平均法の活用

急激な為替相場や株式市場に惑わされない投資法として、定期買付を利用した積立投資が推奨されます。ドルコスト平均法では、株価が高いときは購入株数が少なくなり、安いときは多く購入することができ、結果的に1株当たりの平均購入単価を引き下げることが期待されます

2. 為替ヘッジありファンドの検討

為替変動の影響を受けることなく、米国株そのものの値動きだけを投資成果として得たい場合は、「為替ヘッジあり」の商品を選択できます。ただし、為替ヘッジには対象通貨間の短期金利水準の差に基づくコストがかかります

3. 増配株投資による長期戦略

米国株の増配株でポートフォリオを組む場合、投資先企業が毎年2%以上の増配を続けてくれれば、年2%のペースで円高が進んでも、配当金はそれ以上のペースで増えます。つまり、「円高の進行を上回るスピードで米ドル建ての資産や配当金を増やせば、為替リスクはカバーできる」と考えられます

ETFの積立投資戦略

株式累積投資サービスの活用

一部の証券会社では、毎月一定の金額ずつ株式を購入する「株式累積投資」(るいとう)のサービスを提供しており、対象商品であればETFでの積立投資が自動でできます。投資金額は1銘柄につき毎月1万円以上・1000円単位などから設定可能で、少額から投資できるのが魅力です

新NISAでのETF積立

新NISAのつみたて投資枠の対象商品になっているETFもあり、2024年6月7日時点では8本が対象となっています。これらのETFは金融庁が定める厳しい要件を満たした商品で、販売手数料1.25%以下、信託報酬が一定水準以下などの基準をクリアしています

買うタイミングの戦略

円高時の購入メリット

円高が進んだタイミングでは、円の価値が上がるため円安時よりも少ない円で米国株が購入できます。円高時は米国株を購入するのに少ない円で済むためチャンスとも言えます

定期積立による平均化効果

為替や株価のタイミングを読むのは困難なため、定期的な積立投資により購入タイミングを分散することが有効です。ドルコスト平均法を用いることで、平均購入単価を下げ、価格変動リスクを軽減できます

実践的な投資プラン

月5万円積立のシミュレーション例

基準価額投資額購入口数累積投資額累積口数平均取得単価
1月10,000円50,000円5.00口50,000円5.00口10,000円
2月8,000円50,000円6.25口100,000円11.25口8,889円
3月12,000円50,000円4.17口150,000円15.42口9,730円
4月9,000円50,000円5.56口200,000円20.97口9,536円
5月11,000円50,000円4.55口250,000円25.52口9,797円
6月10,500円50,000円4.76口300,000円30.28口9,908円

このシミュレーションから、価格が変動する中でも定額投資により平均取得単価が抑えられることが分かります

まとめ:総合的な投資戦略

米国株ETF投資で通常のインデックス以上のリターンを得るためには、以下の点を総合的に考慮することが重要です:

手数料面では、ETFと投資信託の信託報酬差は僅少であり、むしろ投資信託の方が購入・売却手数料が無料という利点があります

為替リスクについては、長期的には株価要因の方が為替要因より影響が大きく、ドルコスト平均法による定期積立で為替変動リスクを軽減できます

投資タイミングは、市場タイミングを読むより定期積立による平均化効果を狙う方が現実的で、円高時は割安で購入できるチャンスと捉えることができます

最終的に、為替リスクを過度に恐れることなく、長期的な視点で米国経済の成長を取り込む姿勢が、通常のインデックス以上のリターン獲得につながると考えられます

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