投資を始めたばかりの方から「S&P500の投資信託っていっぱいあるけど、結局どれがいいの?」という質問をよく受けます。実は、同じS&P500でも「時価総額加重」と「均等加重」という2つの異なる仕組みがあることを知っていますか?
今回は、S&P500をはじめとした主要な米国株投資信託について、この2つの加重方式の違いと実際の成績を比較してみました。コーヒーを飲みながらゆっくり読んでいただければ、きっとあなたの投資判断に役立つはずです。
Contents
時価総額加重と均等加重、そもそも何が違うの?
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時価総額加重とは?
時価総額加重は、企業の規模(時価総額)に応じて投資比率を決める方法です。
例えば、AppleやMicrosoftのような巨大企業は、投資信託全体の20%近くを占めることもあります。つまり、大きな会社ほど影響力が大きい仕組みです。
- メリット:市場の動きを自然に反映、運用コストが安い
- デメリット:特定の大型株に偏りやすい
均等加重とは?
均等加重は、構成銘柄をすべて同じ割合で保有する方法です。
10銘柄なら1銘柄あたり10%ずつ、500銘柄なら1銘柄あたり0.2%ずつといった具合です。どの会社も平等に扱われます。
- メリット:特定企業への依存を避けられる、中小型株の成長も取り込める
- デメリット:リバランスコストがかかる、小型株のリスクが高まる
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主要投資信託の加重方式を整理してみた
投資信託・指数 | 加重方式 | 特徴 |
---|---|---|
S&P500 | 時価総額加重 | 米国代表500社を時価総額で加重 |
S&P500(均等加重版) | 均等加重 | 同じ500社を均等に配分 |
S&P100 | 時価総額加重 | 大型株100社を時価総額で加重 |
S&P10(Tracers) | 時価総額加重 | S&P500上位10社に集中投資 |
FANG+ | 均等加重 | テック系10社を均等に配分 |
実は、私も最初はこの違いがよく分からず、「S&P500ならどれも同じでしょ?」と思っていました。でも調べてみると、かなり性格が違うんですね。
2025年の実際の成績を比較してみた
2025年年初から9月までの各投資信託の成績を比較してみました。

YTD(年初来)リターン比較
- S&P10(Tracers):+22.9%
- FANG+:+28.0%
- S&P500:+11.6%
- S&P100:+8.8%
興味深いことに、均等加重のFANG+が最も高いリターンを記録しています。一方で、伝統的な時価総額加重のS&P500やS&P100は比較的安定した成績となっています。
成績の推移グラフから見えること
実際の基準価額推移を見ると、以下のような特徴が見えてきます:
- FANG+:大きく伸びたものの、夏場に調整局面も経験
- S&P10:比較的安定した右肩上がり
- S&P500・S&P100:緩やかでマイルドな成長
これは加重方式の違いが実際のパフォーマンスに影響していることを示しています。
あなたはどちらのタイプ?性格別おすすめ加重方式
時価総額加重が向いている人
- 安定志向の方
- 市場平均を狙いたい方
- 運用コストを抑えたい方
- 初心者の方
時価総額加重は市場の動きをそのまま反映するので、「市場に任せる」スタンスの方に向いています。
均等加重が向いている人
- アクティブな投資を好む方
- 分散投資を重視する方
- 成長株の恩恵を受けたい方
- ある程度のボラティリティを許容できる方
均等加重は、特定の大型株に左右されにくい反面、値動きが大きくなる傾向があります。
長期投資なら、結局どちらを選ぶべき?
投資信託は基本的に長期保有を前提とすべきだと私は考えています。短期的な市場の動きに一喜一憂するよりも、10年、20年のスパンで考えることが大切です。
「どちらも持つ」という選択肢
実は、両方持つのも一つの手です。
- コア部分:時価総額加重のS&P500で安定した市場リターンを確保
- サテライト部分:均等加重やテーマ型で成長を狙う
この組み合わせなら、安定性と成長性のバランスが取れます。
「片方だけ」でも十分な理由
もちろん、片方だけでも問題ありません。
- 時価総額加重だけ:シンプルで分かりやすく、長期的には市場平均のリターンが期待できる
- 均等加重だけ:より積極的なリターンを狙える(ただしリスクも高め)
大切なのは、自分の投資方針に合致しているかです。
まとめ:投資家が今すべきこと
最近は夜中によく市場の動向をチェックしてしまう癖があるのですが、短期的な値動きに惑わされてはいけないなと反省しています。
具体的なアクションプラン
- 自分のリスク許容度を把握する
- 投資期間を明確にする(10年以上推奨)
- 少額から始める(まずは月1万円から)
- 定期的な見直し(年1-2回程度)
初心者の方へのアドバイス
- まずは時価総額加重のS&P500から始めるのがおすすめ
- 慣れてきたら均等加重やテーマ型を少し加える
- 一括投資より積立投資の方が精神的に楽
投資に正解はありませんが、長期的な視点と分散投資の原則を守れば、きっと良い結果が得られるはずです。
時価総額加重も均等加重も、それぞれに魅力があります。大切なのは、あなた自身の投資スタイルに合った選択をすることです。
※この記事は投資を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。最新の基準価額や詳細な情報は、各運用会社の公式サイトでご確認ください。