最近、「AMDがまた上がってる!」というニュースを見て、正直びっくりしました。10月に入ってから、AMD株が一気に40%以上も上昇したんです。原因は、あのChatGPTで有名なOpenAIとの大型提携契約。でも、この契約の中身を詳しく調べてみると、「えっ、これって投資家的にどうなの?」という疑問も出てきました。今回は、この話題について、普通の投資家目線で整理してみたいと思います。
朝のコーヒーを飲みながら株価チェックをする習慣があるのですが、AMDの株価を見た時は思わず「え?」と声が出てしまいました。投資って、こういう驚きがあるから面白いんですよね。
Contents
OpenAIがAMDのGPUを大量購入する契約とは
2025年10月6日に発表されたこの提携は、かなりスケールの大きな話です。OpenAIが今後数年間で、AMD製の高性能GPU「Instinct MI450」シリーズを6ギガワット分も購入するという内容です。
6ギガワットがどのくらい大きいかというと、専門家の推計では約300万から600万個のGPUに相当します。これだけでもすごい数字ですが、まずは2026年後半から1ギガワット分を稼働させることからスタートするようです。

AMD株価の推移 - OpenAI提携発表による急騰
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AMD株価の急上昇ぶりがスゴい
上のグラフを見ると分かる通り、この発表でAMD株は文字通り「急騰」しました。10月6日の発表直後に164ドルから214ドルへと一気に24.4%上昇し、週全体では43%も上がりました。
株価の動きを見ていると、市場がこの契約をかなりポジティブに受け止めていることが分かります。ただし、その後は少し調整が入って現在215ドル前後で推移しています。
日付 | 終値(ドル) | 前日比(%) | イベント |
---|---|---|---|
2025/10/1 | 164 | - | 通常取引 |
2025/10/4 | 172 | +4.9% | 提携前 |
2025/10/6 | 214 | +24.4% | OpenAI提携発表 |
2025/10/7 | 225 | +5.1% | 継続上昇 |
2025/10/8 | 213 | -5.3% | 一時調整 |
2025/10/11 | 215 | +0.9% | 現在価格 |
OpenAIとAMDの契約の仕組み - 実は複雑だった
ここからが興味深いところです。この契約は単純な「GPU購入契約」ではありません。AMDはOpenAIに対して1億6,000万株のワラント(株式購入権)を発行しました。
このワラントの行使価格は1株あたりたったの1セントです。つまり、OpenAIは条件を満たせば、将来的にAMD株を激安価格で大量に取得できるんです。現在のAMD発行済株式数から計算すると、これは約10%の株式に相当します。
項目 | 詳細 |
---|---|
契約規模 | 6ギガワット分のGPU供給 |
GPU数量 | 推定300万〜600万個のMI450 GPU |
配布開始時期 | 2026年後半から1GW分を開始 |
株式取得権 | 最大1億6,000万株のワラント |
行使価格 | 1株あたり1セント($0.01) |
最大株式取得割合 | 約10%(現在の発行済株式ベース) |
株価目標 | 最終トランシェ行使に$600必要 |
予想収益 | 年間数百億ドル規模 |
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もしかして、OpenAIは損しない仕組み?
正直、これを調べていて「OpenAI、うまいなぁ」と思いました。なぜかというと、このワラントの仕組みがOpenAIにとって非常に有利だからです。
仮にAMD株が契約で定められた600ドルまで上昇し、OpenAIが1億6,000万株すべてを取得して売却したとすると、なんと約960億ドルの利益を得ることができます。
つまり、OpenAIは実質的に「AMD株の値上がり益でGPU代金を支払う」ような仕組みを作り上げたわけです。これは相当頭の良い資金調達方法だと思います。
NVIDIAのジェンセンCEOが語った本音
競合であるNVIDIAのCEOジェンセン・ファン氏のコメントが、この契約の本質を表していると思います。
彼は「想像的で独創的だが、驚いている」「製品を作る前に会社の10%を渡すとは驚きだ」と述べた一方で、「賢い戦略だとも思う」とも評価しています。
コメント内容 | 分析 | 投資家への示唆 |
---|---|---|
想像的で独創的だが驚いている | 競合として戦略を評価しつつ驚きを表明 | AI業界では大胆な戦略が必要 |
製品を作る前に会社の10%を渡すとは | AMD製品がまだ本格稼働前という事実を指摘 | まだ不確実性がある段階での大型契約 |
賢い戦略だとも思う | ただし戦略的価値は認めている | リスクはあるが見返りも大きい可能性 |
我々は直接販売できる | Nvidia自身の優位性を強調 | Nvidiaとの競争は激化する |
実際、NVIDIAも先月、OpenAIに対して最大1,000億ドルの投資を発表しており、AI業界での競争がいかに激しいかが分かります。
AMDが得するところは明確
AMDにとってのメリットは分かりやすいです。まず、年間数百億ドル規模の安定収益が見込めます。CFOのジーン・フー氏は「数百億ドルの収益をもたらす」と明言しています。
さらに重要なのは、OpenAIとの技術的な協力関係です。OpenAIはこれまでもAMDのGPU開発にフィードバックを提供してきており、今回の契約でその関係がさらに深まります。これは将来の製品開発にとって大きなアドバンテージです。
また、OpenAIがAMD株の大株主になることで、両社の利害関係が一致し、長期的なパートナーシップが期待できます。
投資家としてどう判断するか
正直に言うと、この契約には光と影の両面があります。
ポジティブな面:
- AI市場の拡大に伴う巨大な収益機会
- OpenAIという強力なパートナーの獲得
- 技術開発での協力関係強化
- 株価上昇の大きな材料
リスクな面:
- 10%の株式希薄化の可能性
- 2026年まで実際の製品供給が始まらない
- OpenAIの資金調達能力への依存
- NVIDIAとの激しい競争
個人的には、AMD株は長期的に見れば魅力的だと思います。ただし、現在の株価水準(215ドル前後)では、短期的な調整も覚悟する必要がありそうです。
投資を考えるなら、以下の点をチェックしたいところです:
- 2026年後半のMI450実際の納入状況
- OpenAIの資金調達の進捗
- NVIDIAとの競争での立ち位置
- AI市場全体の成長継続性
まとめ:大胆な戦略の成否は時間が証明する
今回のAMD-OpenAI提携は、確実に半導体業界の転換点になりそうです。OpenAIの巧妙な資金調達スキーム、AMDの大胆な成長戦略、そしてNVIDIAの反応を見ていると、AI時代の企業競争がいかに複雑で興味深いものかが分かります。
投資家としては、この動きを冷静に見守りつつ、自分なりの投資戦略を練り直す良いタイミングかもしれません。少なくとも、AMD株のボラティリティは今後も続きそうですから、リスク管理をしっかりとした上で投資判断をしたいものです。
この記事は投資助言ではありません。投資判断は自己責任でお願いします。