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緊急事態発生!日本株市場に激震が走る
2025年6月13日、イスラエルによるイランの核施設への空爆が報じられると、東京株式市場は瞬時にパニック状態に陥りました。日経平均株価は一時600円を超える大幅下落を記録し、終値は前日比339円84銭安の37,834円25銭となりました。この急落は、世界のエネルギー供給の生命線であるホルムズ海峡封鎖リスクへの市場の恐怖心を如実に物語っています。
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株価急落の背景:ホルムズ海峡の戦略的重要性
ホルムズ海峡は世界の原油輸送の約3分の1が通過する要衝であり、日本が輸入する原油の約87%がこの狭い海峡を経由しています。13日のニューヨーク原油先物市場では、WTI原油価格が前日の68ドル台から一時77ドル台まで10%以上急騰し、この原油価格の激動が株式市場全体を揺さぶりました。
セクター別株価への影響:明暗くっきり
ホルムズ海峡危機は、業界セクターによって全く異なる影響をもたらします。

ホルムズ海峡危機時のセクター別株価影響
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上昇が期待されるセクター
エネルギー関連株は最も恩恵を受ける業界です。INPEX(1605)は6月13日に+61.5円(+2.98%)の大幅上昇を記録し、石油資源開発(1662)も+31円(+3.02%)と堅調な動きを見せました。原油価格上昇により、これらの石油開発企業の業績改善期待が高まっているのです。
海運株も注目セクターの一つです。ホルムズ海峡封鎖により海運運賃の上昇が予想され、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)などの大手海運会社への買い注文が集まる可能性があります。
防衛関連株は地政学的リスクの高まりにより需要増が期待されます。三菱重工業(7011)、川崎重工業(7012)、IHI(7013)などの重工業株や、細谷火工(4274)、豊和工業(6203)などの防衛専業メーカーに資金が流入する傾向があります。
下落圧力を受けるセクター
輸出関連株は二重の打撃を受けます。原油高によるコスト増加と、リスク回避による円高進行により、自動車や機械メーカー全般に売り圧力がかかります。
航空株は燃料コストの急激な増大により、業績悪化懸念が強まります。ANAホールディングスやJALなどの航空会社は、原油価格上昇の直撃を受ける代表的な業界です。
原油価格シナリオ別の経済影響予測
中東情勢の展開により、日本経済への影響は段階的に悪化する可能性があります。

ホルムズ海峡危機のシナリオ別経済影響
シナリオ1:軽度の緊張継続(WTI75ドル/バレル)
現在の水準が維持される場合、日本の実質GDP成長率への影響は-0.15%程度にとどまります。株価への影響も一時的な調整にとどまると予想されます。
シナリオ2:限定的対立の継続(WTI87ドル/バレル)
2024年4月のような限定的な報復の応酬が続く場合、GDP成長率は-0.27%押し下げられます。セクター間の格差が拡大し、エネルギー関連株の独歩高が続く可能性があります。
シナリオ3:ホルムズ海峡封鎖(WTI100-120ドル/バレル)
最悪のシナリオでは、GDP成長率が-0.60%も押し下げられ、これはトランプ関税による影響(-0.47%)を上回る規模です。全面的な株安局面となり、市場機能の不全リスクも高まります。
投資家心理とリスク回避の動き
13日の市場では典型的なリスクオフの動きが見られました。安全通貨である円が買われ、国債も買われる一方で、金価格が高騰しました。投資家は不透明な先行きを受けて、安全資産への資金逃避を加速させています。
金融政策への影響と今後の展望
原油価格の持続的な上昇は、日本銀行の金融政策にも影響を与える可能性があります。インフレ圧力の高まりにより、アメリカFRBの利下げが困難になるとの観測も出ており、これが世界的な金融環境の引き締まりにつながる懸念があります。
まとめ:投資家が取るべき戦略
ホルムズ海峡封鎖リスクは、単なる地政学的問題ではなく、日本の株式市場に直接的かつ深刻な影響を与える重大な脅威です。投資家は以下の点に注意を払う必要があります:
- セクターローテーション戦略:エネルギー、海運、防衛関連株への資金シフトと、輸出関連株からの資金流出を想定した投資配分の見直し
- リスク管理の徹底:原油価格の急変動に備えた分散投資と、安全資産の比率引き上げの検討
- 情報収集の強化:中東情勢の展開と原油市場の動向を継続的に監視し、迅速な投資判断を行える体制の構築
市場の混乱は一時的なものかもしれませんが、ホルムズ海峡が世界経済の生命線である限り、この問題は常に株式市場の大きなリスク要因として存在し続けるでしょう。