こんにちは。投資歴12年、これまでS&P500とナスダックを中心に投資してきた個人投資家です。
正直に言うと、私はこれまでヨーロッパ株には全く興味がありませんでした。「成長が鈍い」「規制が厳しい」「アメリカの方が儲かる」という先入観があったからです。
しかし、2025年に入ってから状況が一変しました。私のポートフォリオの大部分を占める米国株が軟調な一方で、ヨーロッパ株が驚くほどのパフォーマンスを見せているのです。
昨年末に「試しに」と少額投資したヨーロッパETFが、わずか半年で15%以上のリターンを叩き出したのを見て、本格的にヨーロッパ市場を研究し始めました。その結果分かったのは、今まさに歴史的な資金大移動が起きているという事実です。
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衝撃の事実:アメリカの投資マネーが大挙してヨーロッパへ
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過去最高の資金流入を記録
2025年第1四半期、米国の投資家によるヨーロッパETFへの資金流入は106億ドルと過去最高を記録しました。これは前年同期の7倍という驚異的な数字です。

米国投資家による欧州ETFへの資金流入が2025年Q1に106億ドルと過去最高を記録
このグラフを見れば一目瞭然ですが、2024年から徐々に増加していた資金流入が、2025年に入って爆発的に加速しています。同時に、米国株からの資金流出も247億ドルと大幅に増加しており、明らかに投資家の関心が大西洋を越えて移動していることが分かります。
なぜアメリカ人はヨーロッパ株を買い始めたのか?
この現象の背景には、複数の要因があります:
特に注目すべきは、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットの格言「他人が恐れている時に貪欲になれ」を実践する投資家が増えていることです。
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ヨーロッパで今何が起きているのか?
ドイツの大転換が全てを変えた
2025年最大のサプライズは、ドイツが長年の緊縮財政から5000億ユーロの大型インフラ投資に舵を切ったことです。これは日本円で約75兆円という巨額投資で、ドイツ経済の体質を根本から変える可能性があります。

欧州株が米国株を上回る2025年のパフォーマンス - ドイツDAXが20%上昇でトップ
このチャートが示すように、ドイツDAX指数は2025年に入って20%上昇し、S&P500を大きく上回るパフォーマンスを見せています。特に注目すべきは、34銘柄中34銘柄がプラスリターンという驚異的な成績です。
防衛支出の急拡大
ウクライナ情勢とトランプ政権の NATO方針転換により、ヨーロッパ各国は防衛支出を急拡大しています:
金融緩和の恩恵
ECB(欧州中央銀行)は2024年6月から継続的な利下げを実施し、政策金利を2.5%まで引き下げました。一方、米FRBは4.25-4.5%で据え置いており、この金利差がヨーロッパ株式への資金流入を促進しています。
注目のヨーロッパ銘柄:防衛・電力・金融が三本柱
セクター別パフォーマンス

欧州防衛・航空宇宙セクターが45%上昇で最高パフォーマンス
2025年のヨーロッパ株式市場では、防衛・航空宇宙セクターが45%上昇と圧倒的なパフォーマンスを見せています。続いて金融セクター(15%)、電力セクター(12%)が続きます。
個別銘柄の注目株
銘柄名 | 国 | セクター | 2025年リターン | 投資ポイント |
---|---|---|---|---|
ラインメタル | ドイツ | 防衛 | 177% | NATO予算増加の最大受益者 |
ヘンゾルト | ドイツ | 防衛 | 171% | ドイツ防衛予算拡大 |
BAEシステムズ | 英国 | 防衛 | 55% | 英EU防衛協定締結 |
ドイツ銀行 | ドイツ | 金融 | 56% | ヨーロッパ経済回復 |
シーメンス | ドイツ | 産業機械 | 24% | インフラ投資の恩恵 |
特に注目:ラインメタル(Rheinmetall)
ドイツの防衛大手ラインメタルは、2025年に**177%**という驚異的なリターンを記録しています。同社は155mm砲弾の年間生産能力を100万発以上に拡大予定で、NATO諸国からの注文が殺到しています。
時価総額は792億ユーロ(約12兆円)に達し、もはやドイツを代表する巨大企業の仲間入りを果たしました。
個人投資家はどう行動すべきか?
私の投資戦略と学んだ教訓
実際にヨーロッパ株投資を始めてから半年が経ちましたが、いくつか重要な学びがありました:
成功した点:
- 段階的な買い増し戦略が功を奏した
- セクターETFでのリスク分散が有効だった
- 通貨ヘッジなしの方が結果的に良かった
反省点:
- 最初に個別銘柄に集中しすぎてリスクを取りすぎた
- タイミングを狙いすぎて機会を逃した場面があった
推奨投資戦略
戦略 | 具体的アプローチ | 注意点 |
---|---|---|
分散投資 | 米国株との分散でリスク軽減 | ヨーロッパETFでの投資も検討 |
セクター選択 | 防衛・電力・金融セクター重視 | 関税リスクに注意 |
タイミング | 段階的な買い増し戦略 | 短期的な変動は覚悟 |
リスク管理 | 個別銘柄は全体の10-20%まで | 適切なポジションサイズ |
通貨ヘッジ | ユーロ高リスクを考慮 | 為替リスクの管理 |
初心者におすすめの投資方法
- ヨーロッパETFから始める
- VGK(バンガード欧州ETF)
- EZU(iシェアーズ欧州ETF)
- 防衛セクターETF(EUAD)
- 段階的投資
- 毎月一定額の積立投資
- 大きな下落時の追加投資
- 情報収集
- ECBの金融政策発表
- ドイツの財政政策動向
- NATO関連ニュース
まとめ:ヨーロッパ株投資は今がチャンス
データと実体験を通して確信したのは、2025年はヨーロッパ株投資の絶好のタイミングだということです。
なぜ今なのか:
- 10年以上続いた米国株優位のトレンドが転換点にある
- ヨーロッパの構造改革が本格化している
- バリュエーションが依然として割安
- 地政学的要因が追い風となっている
リスクと注意点:
- 米国の関税政策による影響
- 短期的な為替変動
- ウクライナ情勢の不確実性
私自身、米国株中心のポートフォリオからヨーロッパ株の比率を徐々に高めており、現在は全体の25%程度を欧州関連に配分しています。
投資は自己責任ですが、多様化された国際分散投資の重要性を改めて実感しています。アメリカ一辺倒だった私が言うのも何ですが、今こそヨーロッパに目を向けるべき時だと思います。
免責事項: 本記事は投資助言ではありません。投資は自己責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。