米国株投資を8年続けてきて、最近つくづく思うのは「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェットの凄さです。94歳になった今でも現役で投資を続け、世界中の投資家から注目され続けている理由を改めて調べてみると、私たち個人投資家が学ぶべき教訓がたくさん詰まっていました。

Warren Buffett, the legendary investor, pictured seated in a suit, embodying his well-known status as an investment icon
今回は、バフェットの実際の成績データを深掘りしながら、それを超えることの難しさと、私たち一般投資家が心がけるべきリスク管理について考えてみたいと思います。投資を続けていると、時々「俺もバフェットを超えてやる!」なんて思うこともありますが(笑)、現実は甘くないという話も含めて、正直にお話ししていきます。
Contents
ウォーレン・バフェットってだれ?まだ現役?

Warren Buffett smiling in a formal suit, symbolizing the renowned investment legend
ウォーレン・エドワード・バフェットは1930年8月30日生まれで、現在94歳という驚異的な年齢でありながら、今でもバークシャー・ハサウェイの会長兼CEOとして現役で活動しています。
11歳で初めて株式投資を始めたという有名なエピソードがありますが、本格的に投資会社を立ち上げたのは1965年。バークシャー・ハサウェイを買収してからの59年間で、同社の株価はなんと2万倍以上に成長しました。
2024年現在の純資産は約1,410億ドル(約21兆円)で、世界第5位の富豪です。しかも興味深いことに、95%の資産を65歳以降に築いているというから驚きです。普通なら引退していてもおかしくない年齢から、さらに飛躍的に資産を増やし続けているんですね。
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ウォーレン・バフェットの5年単位での騰落率は?
それでは、具体的にバフェットがどのような成績を残してきたのか、データで見てみましょう。私が調べた2000年から2020年までの20年間を、5年単位で区切って分析してみました。

バフェット(バークシャー・ハサウェイ)とS&P500の5年単位年率リターン比較
期間別パフォーマンス比較
期間 | バフェット(年率) | S&P500(年率) | 勝者 |
---|---|---|---|
2000-2005 | 4.5% | 0.5% | バフェット |
2005-2010 | 6.3% | 2.3% | バフェット |
2010-2015 | 10.4% | 12.6% | S&P500 |
2015-2020 | 12.0% | 15.2% | S&P500 |
この結果を見て、正直驚きました。近年はS&P500の方がバフェットを上回っているんですね。特に2010年代以降は、テクノロジー株の急成長もあって、シンプルにS&P500に投資していた方が良いリターンを得られていたのです。
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バフェットの年次リターンの特徴

バフェット(バークシャー・ハサウェイ)の年次リターン推移(2001-2024年)
2001年から2024年までの24年間を見ると:
面白いのは、2008年のリーマンショック時には**-31.8%**という大きなマイナスを記録していることです。投資の神様でも、市場の大暴落には勝てないということが分かります。
それを超える成績を続けてあげるなんて難しい——無理のないリスクを取ろう
バフェットの成績を見ていると、改めて長期投資の難しさを感じます。特に注目すべきは、バフェット自身も認める失敗例があることです:
バフェットの主な失敗例
- クラフト・ハインツへの投資: 「投資し過ぎた」と本人が認める失敗
- 航空株への投資: 2020年のコロナショックで株価暴落直後に売却(底値での売却)
- TSMC(台湾積体電路製造): 41億ドルの大量投資後、わずか数ヶ月で売却
投資の神様でさえこれだけの失敗をしているのに、私たちが一貫して市場を上回るパフォーマンスを続けることは、現実的に考えて極めて困難です。
現実的なリスク管理のアプローチ
私自身、8年間の投資経験を通じて学んだことは:
バフェットが2024年に記録的な現金残高(約50兆円)を積み上げていることも、リスク管理の重要性を示していると感じます。「魅力的な投資先がない時は無理をしない」という姿勢は、私たち個人投資家も見習うべきでしょう。
これを超えたら、あなたも投資の神様?
バフェットの**1965年からの年間リターン(複利)約20%**という数字は、まさに神の領域です。仮に毎年20%のリターンを続けられたとすると:
- 10年後: 約6.2倍
- 20年後: 約38倍
- 30年後: 約237倍
100万円が30年で2億3700万円になる計算です。これを59年間続けているのがバフェットの凄さです。
個人投資家の現実的な目標
正直な話、年率20%を継続することは現実的ではありません。むしろ:
私も投資を始めた頃は「バフェットを超えてやる!」と意気込んでいましたが、今では市場平均を大きく下回らないことを目標にしています。これでも十分に資産は成長していますし、何より精神的に楽です。
投資家としての心構え

Warren Buffett, renowned investment legend, in a contemplative moment
バフェットの教えの中で、私が最も印象に残っているのは以下の言葉です:
「他人が貪欲になっているときは恐れ、他人が恐れているときは貪欲になれ」
バフェット流投資哲学のエッセンス
私たち個人投資家が実践できること
1. 自分なりの投資哲学を持つ
バフェットの真似をするのではなく、自分の生活スタイルや目標に合った投資方針を確立することが大切です。
2. 継続的な学習
バフェット自身、今でも毎日大量の資料を読み、学び続けています。私たちも市場の変化に対応するため、継続的に勉強する必要があります。
3. 感情的な判断を避ける
2008年のリーマンショック時、多くの投資家がパニック売りをしましたが、バフェットはその後も冷静に投資を続けました。感情に左右されない判断力が重要です。
4. リスク許容度を理解する
バフェットほどの資金力がない私たちは、より慎重なリスク管理が必要です。生活に影響しない範囲での投資を心がけましょう。
まとめ——現実的な投資との向き合い方
バフェットの成績を詳しく調べてみて感じたのは、完璧な投資家は存在しないということです。投資の神様でさえ失敗を重ね、特に近年はS&P500にも劣る時期があります。
私たち個人投資家が目指すべきは:
- バフェットを目標とするのではなく参考にする
- 長期的な視点での資産形成
- 無理のないリスク管理の徹底
- 継続的な学習と冷静な判断
8年間の投資経験を通じて、最も大切だと感じるのは「自分のペースで続けること」です。一攫千金を狙わず、着実に資産を積み上げていく。それが私たちにとって現実的で、持続可能な投資スタイルなのではないでしょうか。
投資の神様バフェットから学ぶべきは、テクニックよりも姿勢かもしれません。94歳になっても学び続け、失敗を認め、長期的な視点を失わない。そんな投資家でありたいものですね。
皆さんも、バフェットの成績に憧れつつも、自分らしい投資を続けていきましょう。無理をせず、でも諦めず。それが長期投資成功の秘訣だと思います。