最近、投資関連のニュースで「IPO」という言葉をよく耳にしませんか?「IPOで大儲け」という華々しい話を聞いて、興味を持たれた方も多いでしょう。今回は投資初心者の方に向けて、IPO投資の基本から現実的な投資戦略まで、正直にお伝えします。
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Contents
- 1 IPOとは?新規株式公開の基本を理解しよう
- 2 IPOの特徴
- 3 日本のIPO市場の現状
- 4 2024-2025年の実績
- 5 2025年の成功例
- 6 IPO投資の現実:当選確率は1-3%
- 7 実際の当選確率
- 8 証券会社選びが最重要
- 9 おすすめ証券会社トップ5
- 10 主幹事証券を狙う重要性
- 11 IPO投資の基本戦略
- 12 初値売り戦略
- 13 投資家の行動パターン
- 14 IPO投資のリスクと失敗例
- 15 よくある失敗パターン
- 16 公募割れの現実
- 17 IPO投資で成功するための3つのポイント
- 18 1. 複数証券会社での申込みが必須
- 19 2. 継続的な参加が重要
- 20 3. 現実的な期待値を持つ
- 21 IPO投資を始める前のチェックリスト
- 22 必要な準備
- 23 投資判断の基準
- 24 まとめ:IPO投資は「宝くじ」ではなく投資戦略
IPOとは?新規株式公開の基本を理解しよう
IPO(Initial Public Offering)とは「新規株式公開」のことで、これまで一般投資家が購入できなかった未上場企業の株式が、証券取引所で初めて売買可能になることを指します。
簡単に言えば、これまで限られた人しか投資できなかった企業が、「みんなに株を買ってもらえるようにしますよ」と株式市場に登場することです。企業にとっては資金調達の手段であり、投資家にとっては成長企業への投資機会となります。
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IPOの特徴
IPO銘柄には以下のような特徴があります:
成長企業が多い:IPOを行う企業の多くは成長期にある企業です。上場には厳しい審査があるため、財務状況や経営管理体制がしっかりしている企業しか上場できません。
話題性がある:新規上場は注目度が高く、メディアでも取り上げられることが多いため、投資家の関心を集めやすい特徴があります。
ボラティリティが高い:上場直後は株価が大きく動きやすく、短期間で大きな利益を得られる可能性がある一方、損失リスクも存在します。
日本のIPO市場の現状
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2024-2025年の実績
2024年は86社がIPOを実施し、前年比10社減となりました。内訳は:
- プライム市場:4社
- スタンダード市場:13社
- グロース市場:64社(最多)
2025年上半期も好調で、**28社が上場し勝率89%**という優秀な成績を記録しています。

2025年日本IPO銘柄の初値売り利益トップ10
2025年の成功例
- ZenmuTech:+34.2万円(+216.5%)
- ビジュアル・プロセッシング・ジャパン:+16.1万円(+112.6%)
- レント:+14.0万円(+32.3%)
- エータイ:+10.4万円(+86.4%)
- ウェルネス・コミュニケーションズ:+8.2万円(+20.5%)
これらの成功例を見ると、「IPOは儲かる」という印象を受けるかもしれませんが、現実はそう甘くありません。
IPO投資の現実:当選確率は1-3%
実際の当選確率
- 2024年:2.64%
- 2023年:1.42%
- 2022年:1.53%
- フラー:3,562倍
- ビジュアル・プロセッシング・ジャパン:2,048倍
- ジグザグ:1,714倍
数千倍の競争率というのが現実なのです。私自身、IPO投資を始めた最初の年は10回申し込んで1回も当選しませんでした。
証券会社選びが最重要
おすすめ証券会社トップ5
- SBI証券:IPO取扱数No.1
- SMBC日興証券:主幹事実績が豊富
- 楽天証券:完全平等抽選制
- マネックス証券:完全平等抽選制
- 大和コネクト証券:穴場の証券会社
主幹事証券を狙う重要性
主幹事証券はIPO株の80%以上を割り当てられるため、当選確率が高くなります。2025年上半期の主幹事実績:
- 大和証券:平均初値損益4.1万円
- 野村證券:平均初値損益3.7万円(全案件プラス)
- みずほ証券:平均初値損益3.4万円
- SMBC日興証券:平均初値損益2.2万円
IPO投資の基本戦略
初値売り戦略
メリット:
- 売るタイミングで迷わない
- 短期間で利益確定が可能
- 精神的負担が少ない
やり方:
- 複数の証券会社でIPO抽選に参加
- 当選したら公募価格で購入
- 上場初日に成行注文で売却
投資家の行動パターン
IPO投資では「センチメント」と呼ばれる投資家心理が大きく影響します。話題性の高い銘柄ほど投資家の注目が集まり、初値が高くなる傾向があります。
特に、IT・AI・DX関連企業は近年人気が高く、初値が大幅に上昇するケースが多く見られます。
IPO投資のリスクと失敗例
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よくある失敗パターン
- 成行注文を入れ忘れ:初値売りのタイミングを逃す
- 上場日を間違える:売り時を完全に逃す
- 資金拘束の理解不足:申込時に資金が動かせなくなる
- 公募割れリスクの軽視:初値が公募価格を下回ることもある
公募割れの現実
すべてのIPOが成功するわけではありません。2025年上半期でも3社が公募割れしており、必ず利益が出るとは限らないのが現実です。
過去のデータを見ると:
- 2024年:公募割れ率約11%
- 2023年:公募割れ率約13%
つまり、10社に1社程度は損失が発生する可能性があります。
IPO投資で成功するための3つのポイント
1. 複数証券会社での申込みが必須
当選確率を上げるには、最低でも5社以上の証券会社で申込みすることが重要です。1社だけでは当選は期待できません。
実際に、IPO投資で成功している人の多くは10社以上の証券会社を使い分けています。
2. 継続的な参加が重要
IPO投資は「継続は力なり」です。年に1-2回の当選でも、継続すれば:
- 年間5-10万円の副収入が期待できる
- 投資の勉強になる
- 市場感覚が身につく
3. 現実的な期待値を持つ
年に1-2回当選すれば御の字という現実を理解しましょう。「IPOで簡単に大儲け」という考えは禁物です。
IPO投資を始める前のチェックリスト
必要な準備
- 複数の証券会社に口座開設(最低5社)
- 各社のIPO抽選ルールを理解
- 十分な投資資金の確保(1案件あたり10-50万円程度)
- 継続的な情報収集体制の構築
投資判断の基準
- 業種・将来性:IT・DX・AI関連は人気が高い傾向
- 公開株数:少ないほど値上がりしやすい
- 主幹事証券:大手証券が主幹事の案件は安定感がある
- 大株主構成:ベンチャーキャピタルの持株比率を確認
まとめ:IPO投資は「宝くじ」ではなく投資戦略
IPO投資について正直にお伝えすると:
現実:
それでも価値がある理由:
成功のカギ:
- 複数証券会社での継続参加
- 現実的な期待値設定
- 余裕資金での投資
- 継続的な情報収集
IPO投資は「確実に儲かる投資法」ではありません。しかし、正しい知識と戦略、そして継続的な取り組みがあれば、年に数回の「ボーナス」を得られる可能性があります。
過度な期待は禁物ですが、日本の成長企業への投資機会として、少額から始めてみることをおすすめします。ただし、生活資金には手をつけず、余裕資金の範囲内で行うことが鉄則です。
投資は自己責任。しっかりと勉強して、現実を理解した上で参加しましょう。