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【初心者向け】S&P500って何?なぜ、みんなS&P500というのか?

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投資を始める際に必ずと言っていいほど耳にする「S&P500」。投資系YouTuberやブロガーが口を揃えて推奨し、世界最高の投資家ウォーレン・バフェットも一般投資家に勧めるこの指数は、一体何がそんなに特別なのでしょうか。本記事では、S&P500の基本から実際の投資方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます

S&P500とは何か?

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米国を代表する500社の株価指数

S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表している、米国の代表的な株価指数の一つです。ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している代表的な500銘柄の株価を、時価総額比率で加重平均し指数化したものです

この指数は米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしており、まさに米国経済全体の動向を表す重要な指標となっています。日本でいう日経平均株価やTOPIXのような存在ですが、その規模と影響力は世界最大級です

時価総額加重平均型の特徴

S&P500は「時価総額加重平均型」という方法で算出されており、時価総額の大きい企業の値動きが指数全体に与える影響も大きくなる特徴があります。2025年1月末時点で、上位10銘柄だけで指数全体の約96%を占めています

S&P500トップ10銘柄の構成比率を示す円グラフ

S&P500トップ10銘柄の構成比率を示す円グラフ

上位銘柄を見ると、アップル、マイクロソフト、エヌビディアといった世界を代表するテクノロジー企業が名を連ねており、これらの企業の成長がS&P500のパフォーマンスを大きく左右していることがわかります

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なぜみんながS&P500を買うのか?

米国経済の高い成長力

S&P500が投資家に愛される最大の理由は、米国経済の継続的な成長にあります。米国は世界のGDPの約4分の1を占める経済大国であり、その経済動向は世界経済の先行指標としても重視されています

実際に、1982年から2024年までのS&P500と日経平均のパフォーマンスを比較すると、日本経済が成長に伸び悩む中、米国経済は右肩上がりに成長を続けています。リーマンショックやコロナショックなど相場が大暴落する局面を何度も乗り越えて成長を続けているという点が、S&P500の最大の魅力です

バフェットも推奨する安定性

世界最高の投資家として知られるウォーレン・バフェット氏も、一般投資家に対してS&P500インデックスファンドへの投資を一貫して推奨しています。特に有名なのは、彼が妻への遺言で「資産の90%をS&P500インデックスファンドに、残りの10%を短期国債に投資すること」を指示していることです

バフェット氏がS&P500を推奨する理由は、「大多数のプロでも市場平均には勝てない」という現実と、「低コストで効率的な分散投資が可能」という実用性にあります。1993年から2018年までの25年間にわたって、彼はS&P500を合計14回推奨し、その長期的で安定したリターンに対する信頼を表しています

インデックス投資ってどういうものか?

市場平均に連動する投資手法

インデックス投資とは、S&P500のような市場の動きを示す株価指数(インデックス)との連動を目指して運用される投資手法です。これに対して、プロのファンドマネージャーが銘柄選定を行い、インデックスを上回る成績を目指すのが「アクティブ投資」です

インデックス投資の最大のメリットは手数料の安さにあります。アクティブファンドと比較して、信託報酬が低めに設定される傾向があり、長期的な資産運用において、この手数料の差が大きな利益の差となって現れます

自動的な分散投資効果

S&P500インデックスファンドに投資することは、一度に500社の米国大企業に分散投資することと同じ意味を持ちます。個別株投資では達成困難な高度な分散投資を、少額から実現できるのが大きな特徴です

最近のリターンは?

長期的に優秀なパフォーマンス

S&P500は1957年の算出開始から、年率約10.7%で上昇し続けています。これは配当金を含めた数値であり、長期投資家にとって非常に魅力的なリターンです

S&P500の過去11年間の年間リターン推移を示すチャート

S&P500の過去11年間の年間リターン推移を示すチャート

直近11年間(2014-2024年)の年間リターンを見ると、2018年と2022年にマイナスリターンを記録したものの、その他の年は軒並みプラスとなっており、特に2019年、2021年、2023年、2024年は20%を超える高いリターンを記録しています

S&P500のリターン

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2024年は23.31%の好成績

2024年のS&P500のリターンは23.31%と、前年の26.3%からわずかに下回ったものの、依然として高いパフォーマンスを維持しました。この成長を支えているのは、AI投資の恩恵を受ける企業群の台頭です

過去10年間のS&P500の平均リターンは約10.2%であり、65年前に算出を開始してからの長期平均リターンである10.7%をわずかに下回っています。しかし、1965年から2023年までの年平均リターンは10.2%と、一貫して堅調な成績を残しています

投資家はポートフォリオにどう組み込むのがよいのか?

基本的な資産配分の考え方

適切な分散投資を行う上で、ポートフォリオの基本配分は「国内株式25%、国内債券25%、外国株式25%、外国債券25%」の4分割が推奨されています。これは資産、地域、通貨の分散がバランスよくできるためです

ただし、個人のリスク許容度や投資目標によって配分は調整すべきです。より積極的にリターンを狙いたい場合は、外国株式(S&P500等)の比率を高める戦略も有効です

S&P500の配分例

新NISA制度の活用

S&P500への投資は新NISA制度を積極的に活用することが推奨されます。新NISA制度を利用すれば、投資による運用益(売却益・配当金)が非課税となるため、長期的な資産形成を大幅に加速させることができます

新NISAでは1人あたり最大1,800万円の生涯投資枠が設けられており、そのうち成長投資枠で購入できるのは1,200万円までとなっています。S&P500に連動するインデックスファンドについてはつみたて投資枠でも購入可能なため、生涯投資枠を最大限活用できます

おすすめのS&P500投資商品

S&P500に投資する方法としては、投資信託とETFの2つの選択肢があります。投資信託では「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が最安クラスの信託報酬0.09372%を誇り、純資産総額も6兆円を超える人気ファンドです

ETFを選ぶ場合は、「VOO(バンガード・S&P500 ETF)」「SPY(SPDR S&P 500 ETF)」「IVV(iShares Core S&P 500 ETF)」が世界三大運用会社が提供する代表的な商品です。経費率に着目するなら「VOO」もしくは「IVV」が0.03%と最安水準となっています

今後の展望

2025年は7,000ポイント到達予想

2025年のS&P500について、多くの専門家は強気の見通しを示しています。マネックス証券では、年末に7,000ポイント到達、上昇率15%(配当金込みで16%)のリターンが得られると予想しています

各機関の予想

この予想の根拠は堅固な企業業績にあります。S&P500の2024年企業業績は2023年比で9.7%の増益、2025年は12.9%、2026年は13.1%の増益が予想されており、継続的な成長が期待されています

AI投資とトランプ政策の追い風

2025年の株式上昇は「マグニフィセント・セブン」からS&P500の他の493銘柄に広がると予想されており、より広範囲な企業の成長が期待されています。また、トランプ次期政権の企業寄りの政策も、企業業績を押し上げる要因として注目されています

ベテランストラテジストのエド・ヤルデニ氏は、2025年末のS&P500指数の目標値を7,000とし、さらに2029年末までに1万の大台に到達するだろうと予想しています

長期的な成長トレンド

専門家の多くは、地政学リスクの長期化を見込みつつも、「2025年も米国株市場は強く、S&P500は年末に向けて最高値を更新する」と見ています。高値予想の平均値は約6,800~7,000ポイントで、2024年の最高値から10%以上の上昇が見込まれています

S&P500投資のリスクと注意点

米国一国への集中リスク

S&P500への投資は、実質的に米国という一国に100%集中投資することを意味します。これは、運用成績が米国経済の動向、政治情勢、規制変更などに極めて大きく左右されることを意味します

為替変動の影響

日本の投資家がS&P500に投資する場合、円高・円安の影響を直接受けます。円安(例:1ドルが100円から110円になったとき)の時は円換算ではプラスとなりますが、円高(例:1ドルが100円から90円になったとき)の時は円換算ではマイナスとなります

セクター偏重のリスク

現在のS&P500は情報技術セクターの比重が非常に高く、上位10銘柄で全体の約96%を占める状況です。このため、テクノロジー株の調整局面では大きな影響を受ける可能性があります

まとめ

S&P500は、米国経済の成長力を背景とした安定的な長期リターン、低コストでの分散投資効果、そして世界最高の投資家からの推奨という三拍子揃った投資対象です。特に投資初心者にとっては、複雑な銘柄選定や売買タイミングを考える必要がなく、シンプルかつ効果的な投資手法として最適です

2025年の見通しも専門家の多くが強気であり、AI投資の継続とトランプ政権の企業寄り政策により、さらなる成長が期待されています。ただし、投資にはリスクがつきものであり、短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点を持つことが成功の鍵となります

新NISA制度も活用しながら、ご自身のリスク許容度に応じた適切なポートフォリオ配分で、米国経済の成長の恩恵を享受していきましょう。バフェット氏が言うように、「アメリカに賭けて、何十年もポジションを維持すれば、国債を買うよりもリターンははるかに良くなる」のです

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